第216話 ページ21
天馬は自身と有馬が考えていた展開をろくろに語り出した。
「
「─────！！」
ゴウッ！
「「！！」」
ろくろ達の前まで飛び上がり、攻撃をしようとする悠斗を彼らは共振(レゾナンス)で迎え撃つ。
「─────！！来んぞ、チビ助.......！！」
オォオオオ.....！
「欠片でも出し惜しみすれば即殺されっぞ！全て出し切れっ......」
ギャォオオオオオオ！！！！！！！
二つの力のぶつかり合い。
悠斗の力に押しきられそうになるろくろと天馬の力。
パキン
「！！(─────まさか、あの時受けたダメージか......)」
天馬の刃にヒビが入った音がした。
それに気づいたのは天馬だけ。
「......この、悠っ......！！」
「......！！」
ぐいっ！
「えっ、鵜っ......」
ろくろの腕を引き自分の後ろに回し、両腕を広げ前に出てろくろを庇う天馬。
ギュゴォォォォオオオオオ！！！！！
大きな攻撃と煙。
辺りが見えないほどの衝撃があった。
「天っ......」
体をゆっくりと起き上がらせ前にいた天馬を見る。
見えたその姿に驚愕した。
「！！？天馬！！」
倒れた天馬に駆け寄るろくろ。
うっすらと目を開け、ろくろを見る天馬はポツポツと話し出す。
「鵜宮天馬っっ！！あんた何でっ......」
「んん......無事か.......まぁ、俺が体張ってやったんだ。これで死んだら.......てめぇの弱さのせい......だな」
「何で.......！！何であんたが俺を庇うんだっ.......最強だったらあんたはっ......あんたは絶対っ最後まで生き残らなくちゃ駄目だろっ.......！！っ.....姉ちゃんのこと......泣かすのかよっ！！」
「！！」
ろくろにとっても大切な
彼方の存在を天馬は特別に思い、大切に愛おしそうに思っているのはろくろはわかっていた。
ろくろにとっての紅緒であり、天馬にとっては、彼方だ。
彼方も天馬を大切に思っている。
それは見ていれば気づく事で。
ろくろの「姉ちゃん」と言う言葉に一瞬反応した天馬は、苦しそうな表情を見せたがすぐに元に戻した。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年10月1日 18時
