第212話 ページ17
悠斗の後ろからろくろの声が聞こえ振り向くがそこから出てきたのは、ろくろの式神である焼きおはぎマン。紅緒が考えた事を知っているためにすぐに名前を言い当ててみせた。
「
攻撃が命中したが、悠斗は左腕をろくろのようにして防いでいた。
「その技........嫌〜〜〜い」
「オメーの好きなものやるつもりなんて一ミリもねーーよ！！」
ザッ。
「あれがサル山大将の本気か」
「そう玄胎.......超本気になった時は全身がケガレみたいになる........あの状態になった悠斗はマジでハンパねー。清弦の纒神呪の攻撃が全然効かなかったから......！！」
「.......フン。サル山大将は元々陽の気を持つ人間────それがケガレに身を堕として陰の気を手に入れた。......つまり、完全か一時的かはわからねぇが奴は
「！......なんというネーミングセンス！！(俺や士門にもつけてるのに姉ちゃんにだけはつけてないんだよな、謎だ)」
「だが、ハナから野郎がその玄胎で戦わねぇのは
「笑えねぇ話と思わねぇかチビ助？」
「？」
「奴も俺たちもここにいる三人が三人共自分が一番強いって思ってるくせに。.......全員、切り札の使い所を探りながら戦ってやがる。小便ちびり共が競って何の一番を決めようって言うんだろうなぁ────んん？」
天馬の言葉に笑顔を浮かべ、笑い出すろくろ。隣にいた天馬も笑い、その様子に悠斗は首をかしげる。
ビシッ！
「だったら！おもしろい方を取るしかないよね！！」
そう言って、式神・焼きおはぎマンをもう一度出したろくろ。
「わかってんのか？ソイツを使うからには決められた時間内に奴を倒すしかねぇ出来なきゃ終わり.......百かゼロかの博打だぜ」
「うん、いいさ。この方がわかり易くていいよ.......──────あれ？ビビってるの！？」
「誰に言ってんだぁ─────んん！！？」
ジャッ！
「貴人明鏡符。貴かく人機・纒神呪！！！！」
ろくろと同じように最初から全力でやるつもりの天馬は、纏神呪を纏った。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年10月1日 18時
