第206話 ページ11
現側・なげきの台周辺。
黒大鳥居からのケガレ出現は止まり、現に出て残っているケガレ達を祓う彼方達。勘久郎と憲剛の纒神呪もとけてしまいながらも、ケガレを祓うためにねばっている。
天元空我も壊れた状態で残りの呪力も少ない。
体力的にも限界が近づいている状況だが、陰陽師達は島を守るために後退はできず、増援も期待できていない状況であった。
「くそがっ.......ケガレの侵攻は止まったってのにっ......」
「八十体は......祓ったんじゃないスかねぇ.......？」
印を結びケガレ喰いを発動させようとする勘久郎。
「(これが最後のケガレ喰い.......！！一匹でも多く祓って後続部隊の......)」
「退がってな院長先生。巻き添え喰うぜ──！？」
「！？」
「ズバアアアアアアアアン！！！！」
数十匹もいた巨大なケガレを一瞬で切り裂き倒した。
それを近くで見ていた者や林の中で交戦していた者達にもケガレが倒れた事がわかる。
「師匠っ.....あれは！？」
「─────！？」
「姉様！！」
彼方は未来の言葉に頷き、ケガレを倒した男がいる場所を見る。彼女がよく知る男。
『.....天馬』
最強と呼ばれる、鵜宮天馬がこの場所に現れたのだった。
「はっ、必死こいて餌に群がる豚野郎共がっ！！んん！？」
「ギヒヒヒ.......ん、が！！？」
「ここは覚悟と尊厳がぶつかり合う聖戦の場所だぜっ......心の無ぇケガレはとっとと舞台から降りろ────！！！！
倒れたなげきの台の跡地にある木材に乗り、ケガレに向かい合う天馬。
「ザコ共がぁよくも俺の庭で好き放題やってくれたなぁ─────んん！！？」
「てめーの庭じゃねーけどな」
「やっ.....やった.....！来てくれたっ.....！！」
「最″強″鵜宮天馬！！」
「最″凶″たたら！！」
二人の″サイキョウ″に陰陽師達の士気は上がった。
「あ〜〜〜ぁ、結〜〜〜っ局いい所全部持っていく気スかぁ〜〜」
「........つうか、嫌な予感しかしねぇんだけど」
ゾクッ。
「あっ......ああ」
「「え？」」
「うっ.......うわ！」
陰陽師の一人が黒大鳥居の方に二つの人影を見た。
人影が誰かを理解した者が驚き、小さく悲鳴をあげた。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年10月1日 18時
