第197話 ページ2
土御門島が巨大なケガレの大軍に襲われ始めた頃。
ろくろ達はケガレの声が響く禍野で動揺している。
「小生の最大秘呪″甘露門″は亜空間を介するこトで超長距離の移動を短時間で可能にする─────今、小生ガ十数年かけて創り上げたケガレの軍勢を土御門島に解き放った......その数を四百体」
「......っ！！！」
「小生たちは陽の気に満ちた現では半日と生きてはイけぬ体だが「陰陽師を襲う」という思考回路だけヲ持った相当量の呪力のケガレ四百体だ。半日もアれば土御門島は──────この地上から姿を消す！！」
怒りで感情が高ぶり、ろくろの右腕から呪力が漏れだす。
それをみた無悪は、右腕にカラクリがあると推察するが、ろくろに自身に襲いかかることはやめておけと言う。
「小生のこの姿″陰陽消滅″は陰と陽ふたつの力を持つ究極の状態。陽の力しか持たない貴殿ら陰陽師には小生は祓えヌ......！」
「─────！！」
無悪の言葉にろくろは前に悠斗が話していた究極の力のことを思い出した。自身の力のことを説明した無悪はろくろに結界の中で大人しくしていろと言う。
「うるっ.....さいっっ！！！！何もしないで見てるだけなんて出来るかああああああああああっ！！！！！！」
「(──────！！)」
ろくろの叫びと共に結界が「パキ」と音を上げる。
「だぁ〜〜かぁ〜〜らぁ、君が戦うのはまだ早いって言ってるじゃないか」
「え......」
ザッ
「パっ......パンツ男！！」
「お父さんっっ.....！！？」
「壮絶.......───を通り越して.....モはや不憫.......だな」
千切れた体と消えかケの意識を呪力で無理矢理繋ぎ止めているだけの状態である有馬。
「執念は受け取っておこう......だが、今の小生を祓えるノは″
「うるさいね.....さっき言った筈だよ？自分の死に場所は自分で決める.....それに彼らは星の未来を紡ぐ宝だ────！！この肉体がどうなろうと戦いを止める理由にはならないね......！！」
ボロボロの状態で立ち上がり、戦おうとする有馬を有主は止める。ろくろも有馬と共に戦うと殺気だちなが言った。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年10月1日 18時
