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第190話 ページ44

銀鏡は考えた。
陰陽頭は何故ここにいるのか。
子を救うために危険を顧みず戦場に降り立ったのかと。
無悪は双星と陰陽頭の子が同じ隊にいることを知っていたのではないかと。



「(もしそうなら......無悪は吾が輩を餌にしたのか─────?)」



ザッ



「!」

「悲しきケガレよ。星に抱かれて眠れ........」

「........うっうおおおおおおおおおっ!!!!!」



ギュオオオオォォオオオオオオ!!!!!



「死ぬのはきききき貴様だあああああああ!!!!」

「むっ......ぐぁっ......!!見事っ......だ」



片腕を変形させ、有馬をとらえた銀鏡。
有馬はとらえられた状態のまま霊符を構えた。



「大叫喚魔凍氷殺、急急如律令!!」



パキパキパキ。



腕から銀鏡に攻撃をあたえ、凍らせた有馬。
血を吐き陰陽頭である有馬に問いかける銀鏡を有馬は黙って見つめ聞いている。



「一体......これは一体なななな何の仕打ちだ...なぁ......陰陽頭。お前達は.......人間に正義があると......!守るべき価値が人間の側にあるとだだだだだ誰が決めたぅっ!!貴様らさえいなければ争い自体起こることはなかったのだっっ!!驕傲甚だしい星の汚点は貴様らだっっ!!」

「.........全くもって、反論の余地はない....」

「?」

「全ては君の言う通りだ。″正義″の逆は悪ではなく″もう一方の正義″。僕らが掲げる正義も死にたくない理由付けに過ぎない。逆に問おう銀鏡。─────では君は先程君が言った大義のためにこれまで戦ってきたのか?」

「!」

「人間は傲慢を打倒し自らの正義を貫くために人を殺し続けてきたか?.......そうではない筈だ。君は人を殺し続けてきたのは殺さねば殺されるからではないのか?己が今以上強くなるためではないのか?ただの退屈を紛らわすためではないのか.....違うかい?」



凍らされた銀鏡は、ただただ有馬の話を黙って聞いていた。



「それは僕も同じだ.......。僕が拳を振るうのは己の″欲″のため.......″大切なものを失いたくない″弱者故の恐怖(″欲″).....君が今ここで死ぬ理由はひとつ......相手を殺さねば失ってしまうものの重さが僕の方がほんの少し大きかっただけだよ.....」

「.....は、詭弁ばかりっ.....たたたた垂れ流しおって.....!!敗けて失うものなど......ひとつも.....ないわ」


 

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れい(プロフ) - コメント失礼します。オリフラが立ったままになっているので、フラグ解除をお願いします。 (2021年8月19日 16時) (レス) id: d1cecbd3a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年8月9日 23時

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