第175話 ページ29
「.....これはそのあまりにも暇だったので新術の開発で....」
「お前の暇は安静にしておくためにあるんだよっ!!」
怒りながら、注意する恵治さん。
彼は士門のベッドの上にある書物やらノート、ペンを手に取り片付けていく。恵治さんに黙って勉強をしていた士門に苦笑を浮かべてしまった。相変わらず、真面目な幼馴染だ。入院中にできることを模索していたのだろう。
『この間私が来た時も新術の開発してましたよ』
「なっ!?言うな、彼方!!」
「士門〜〜〜!!?」
さらっとチクっとく。
怒られとけばいいのだ。
この機会にいっぱい斑鳩の人達との距離をもっとつめて、心配かけて頼れバカ士門。遠慮がちなのだから。もっとこうして、話している彼らを見れるのは微笑ましい事。
『久しぶり、士門』
「ああ、久しぶりだな、彼方。恵治さんに言うなよ」
『いや、言っとかないとなって思ってね?これ、よかったら食べて!ゼリー作ってきたの』
箱を顔の横まで持ち上げて見せる。
悪くならないように冷蔵庫に入れておく事を伝えておく。
「手作りか?彼方のお菓子は上手いから楽しみにしている」
『それは良かったよ!食べたら感想聞かせてね?』
椅子を持ってきてベッドの横におく。
ゼリー渡しにきただけとかではないので!!
ちゃんお話にきたので!!
「彼方ちゃん。ゼリーありがとう!」
『いえいえ、食べたら感想聞かせてください!』
「勿論だよ!!」
妹も喜ぶと言う言葉に嬉しくなる。
小夜さんにも美味しく食べてもらえたら嬉しい。
「じゃあ、士門。他に必要なものは────」
「邪魔するぜえ」
「「『!!』」」
恵治さんが士門にここでの生活で必要なものの確認をしていると病室のドアが開き、聞きなれた声がした。
『(え?)』
着物をきた背の低い男性.....、鵜宮天馬がそこにいた。
彼は一瞬私の方をみてから、いつもの口調で士門に話かけ始めた。びっくりして私は固まっちゃったんだけど.....。
「よぉ〜〜トリ丸。思ったより元気そうだな」
「てっ、天馬.....!!?正気っ.....か!?」
「?」
「何を考えて.....いるん.....だ!?」
「鵜っ......宮、天!!!......馬!!!!」
ダンッ!!!
『!!』
恵治さんが天馬の胸ぐらを掴み壁に押し付けた。
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れい(プロフ) - コメント失礼します。オリフラが立ったままになっているので、フラグ解除をお願いします。 (2021年8月19日 16時) (レス) id: d1cecbd3a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年8月9日 23時