月姫の陰陽師肆 (ページ23)

今日:8 hit、昨日:4 hit、合計:14,722 hit

第169話ページ23

「......そして、それが絶対に俺のものにならないこともわかっている.....どうすれば.......いい....？」

人間らしい自身の悩みを口にだし、紅緒に答えを求める神威。それに紅緒は怒りを露にする。

「......神威......ふ、ふざけるっ.......！！！大切なもの.....を散々傷つけっ.......奪って......おいてどうしてまたっ私を苦しめるようなことをっ......言うっっ......！？」

ぐっ。

紅緒はわからなかった。
でも、どこかわかってしまったのだろう。

今になって知らなかったはずの感情に神威は振り回されている。
自分勝手に、勝手に奪い、悩み、死のうとする神威に叫ぶ紅緒。......わからないと思いながら紅緒は、目の前の敵であり、仇である神威に言える事をいうのだ。思っている事を。

「.........神威よく聞きな......さい。お前が........お前の犯した罪が消えること.....は......ない。どんなに心を入れ換えたと........してもここで命........尽きたと........しても、お前が奪ったものは戻りは......しない──────そして、私が.......今後お前を許すことも.......ない」

握る拳に力が入る。

「.....でも罪.....を抱えて生きていくこと......は──────出来る！憎しみも悲しみも......お前自身の苦しみ......も死んで晴れやかになるものなどひとつも.......ない！こんなところで″逃げる″なんて許されない......ぞ！！″私のため″なんかで死ぬな.......！！」

その姿を見た神威。
思う感情に戸惑いながらも、その感情が神威に力を与える。

「(なんてキレイなんだ.......死なせたくない.....)う.......ぐっ......ああっ.....」

ドウッ！！

「(守りたい)」

「こ......これは！？」

「(........そうか、俺を狂わせてものの正体はやはり人間の″呪い″だったか。ああ.......しかしなんと柔らかくあたたかい呪いだ。.....この呪いの名は何と呼ぶのだろう)」

オオォォォォォォオオオ！！！

ビュッ！！！！

「！！？」

ガガガガガガッ！！！！！

「にぎっ.....！！」

ズドッ！！！！！

神威は新たな力を使い再び赫夜と戦い始めた。

　

　

　

　
　

　

　
その頃。

中断されていた儀式を再開させ、紅緒から陰の気が解放されていく。紅緒の意識がのみ込まれた。

　