第193話 ページ47
有馬が壁を作り、かわすが防ぐことはできない。無悪の黒極呪儡は触れたものの全てを亜空間に飲み込まれると。
「終わりだ、陰陽頭。貴殿の死を以て土御門島に絶望の花を咲かせてくれようっ」
「ご大層な言い方の割にはセコい呪装だよね?突然現れて相手の隙をつくだけだろう」
ビシッ。
「ポチ、タマ。おいで」
霊符を構え有馬が呼び出したのは二体の式神。
式神を両腕に纒った有馬は、無悪に対して攻撃をする。
「無駄だ。黒極呪儡に触れたものはただの無に帰すのみだ」
「でも″防御″は必要だと思うよ?君自身に対してのね」
コォォオオ
「大叫喚魔凍氷殺っ急急如律令っ!!」
キィン!!
無数の氷の欠片が無悪を一斉に攻撃する。
ひとつに集まった氷の欠片。
「僕を殺して絶望の花を咲かす?つまり」
ビュッ
「君をたおせば花は絶望から希望に変わるというワケだね」
「.....陰」
ズギャァァアアアア!!!!
無悪の背後に周り、一撃を入れた有馬。地に叩き落とされた無悪は倒れた状態から有馬を見る。ろくろと有主は有馬が攻撃をいれたことに喜びと驚きが混じった表情と声を出した。
「(......やれやれ、酷いな。幾重にも呪装をしているにも拘わらず僕の方がそれとは......)」
殴られた無悪は傷ひとつついていない。
一方、殴った側の有馬の呪装の腕はすぐにでも砕けてしまいそうになっている状態だった。
「!いかんいかん。陰陽頭すまないが、戯れもここまでだ。貴殿の理屈でいうところの負けて失うものが小生にもあるのでな──────!!」
身体をおこし、立ち上がる無悪。
その場で詠唱をし始めた無悪に有馬は何かに気づく。
詠唱をしながら邪魔が入らないように有馬に攻撃をする。
「無悪......君.....その姿」
ゴゴゴゴゴゴ.....。
詠唱が終わり、現れた無悪の姿は全身が真っ白になっていた。有馬もろくろも有主もその姿に驚いている。
「
「......ま真っ白になった.....」
どこか似た姿を見たことがある人物はこの場にはいなかった。
「この姿の前では一切の抵抗は無意味ダ陰陽頭。貴殿はここデ弱く儚いただの人間として朽ちて消えル」
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れい(プロフ) - コメント失礼します。オリフラが立ったままになっているので、フラグ解除をお願いします。 (2021年8月19日 16時) (レス) id: d1cecbd3a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年8月9日 23時