第103話 ページ5
横から聞こえる士門の言葉にひたすら謝ることしかできない。彼が言葉を話す度に手に力が込められ、謝る度に私は彼の背中に回している手に力を込める。
「お前が生きていてくれて良かった.....」
『ありがとう、士門。心配してくれてありがとう.....』
「当たり前だろう」
腕をはなされて「当然だ」と言う表情の士門を見て微笑んだ。昔から変わらないなあ、士門は。
『変わらないね』
「そうだな」
私の幼馴染はどこまでも暖かい。
──────────
「へぇー、姉ちゃんの名字って″十六夜″って言うんだな」
『そうだよ』
のぼり台の階段を登りながら、ろくと繭に記憶が戻った事と自分の事を少し話した。反対にろくろ達も上の家の人達とあった事を教えてくれた。いやあ、それにしても私がその場にいたら、そのおじさんに一発かましてたね。殴ってそうだなあ、私。間違いなく。.........殴ってたな。ろくろの行動にはヒヤッとするところが無い訳じゃないが、紅の事を悪く言うのはまた別のことだ。
「私は士門とかな姉が幼馴染ってことにも驚いたよ....！てっきり、恋人とかなのかと.....」
「あ、それ思ったよ！士門、姉ちゃん見たとたんに抱きつくからさ」
「！.....いや、あれは....！」
ろくろと繭の言葉に動揺する士門を隣で見て、クスクス笑った。
「わかってるって、姉ちゃんの事心配してたんだろ？..........まあ、姉ちゃんの事好きとか言う話なら、取り敢えず話し聞く気だったけど」
「私も」
「『それはないな／よ』」
二人同時に否定。
士門とはない。
頼れる幼馴染として見てるしね。
「でも、かな姉ってそういう話聞かないけど(モテてはいるけど)、記憶が戻ったかな姉ならいるんじゃないの？」
『あ〜.........うん、いる、かな......』
「そうなの！？」
『まあね』
「お前達はすでにあってるぞ(ついさっきな)」
「えっ！」
「『(お前／ろくろがさっき会って言い合いした奴／人だよ)』」
興味津々のろくには悪いけど、君にとっては多分第一印象良くない人なんだよね。言えないけど......。
「(.....もしかして.....かな姉の好きな人ってろくろがここに行くことになった人だったりして.....)」
と繭が正解しているなんて知らない私だった。
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ひーちゃん - リメイク前から読ませていただいていますが、とても面白いです！無理せず更新頑張って下さい。応援してます。 (2022年4月5日 17時) (
レス) id: fdbe555570 (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2022年2月26日 17時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - すごく面白いです!!!!!!無理せず更新頑張ってくださいｯｯｯ (2022年2月22日 18時) (レス) @page10 id: 069b2b7513 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年7月31日 17時
