第124話 ページ26
斑鳩士門side
昔からこういう舞台が苦手な彼方。
ろくろ達は心配しながら、観客席に向かう彼方と行動する。俺も同じ方向なので一緒に歩いて行く。
でも、こいつ。
この後、試合が近くなかったか？
「でも、なんで姉ちゃんは出るんだ？御前試合に」
顔色も悪く、緊張している彼方にろくろが聞いた。
「家と有馬さんと...........久世か？」
『.....そう』
「久世？.....あ、その人って、かな姉の対戦相手の？」
「輝芽久世。鵜宮の傘下にはいる家だ」
『勿論、家のためもあるよ。弟の未来は午後から出るから、別に出なくてもいいとは言われたけどね。......有馬さんの方は有無を言わせない感じだったよ.....(けど、考えていることは大体同じだろうね.....)』
「それで、久世って人が出るからってどういうこと？」
繭良の言葉に頷く俺達。
どういう意味でそう言っているのかわからない。
『久世がどこまで強くなったのか、知りたいの。それに.....、これは私の勘なんだけど嫌な予感がするんだよね』
「！」
「嫌な予感？なんで....？」
『さあ.....？それは私にもわかんない。』
気持ち悪いのとその予感で彼方の顔色が真剣かつ辛そうに見える。彼方の予感は良くあたる。悪い方でも、いい方でも。特に悪い方は、だ。
だから、この御前試合で何か起こる可能性は十分にあり得ること。
──────────
十六夜彼方side
観客席に行く前にろく達と別れ、歩いていると第一試合の美玖さんを見つけた。
『美玖さん！』
「！.....彼方か。相変わらず、こういうことは苦手なんだな」
『まぁ、はい(滅茶苦茶嫌いです)』
私の言葉に美玖さんは苦笑。
()の中がわかってらっしゃるのか？？
見た目はとてつもなく可愛い、膳所美玖さん。
年齢は五十代と冗談？と思うが本当。
『頑張ってくださいっ！美玖さん！！怪我注意です！！』
「ああ、ありがとな。お前も怪我しないようにな」
『善処はします！』
「(しねぇとは言わねえのか)」
しないという約束はできない。
こういうところ、どっかの不器用な師匠に似たのかな？
ふっと笑って歩いて行く美玖さん。
後ろ姿と去り方が相変わらずかっこいい。
『(できる大人だ......)』
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ひーちゃん - リメイク前から読ませていただいていますが、とても面白いです！無理せず更新頑張って下さい。応援してます。 (2022年4月5日 17時) (
レス) id: fdbe555570 (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2022年2月26日 17時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - すごく面白いです!!!!!!無理せず更新頑張ってくださいｯｯｯ (2022年2月22日 18時) (レス) @page10 id: 069b2b7513 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年7月31日 17時
