第136話 ページ38
「私がッ....わた、しがッッ.....弱いから....、私が弱いか、ら....!彼方様に、彼方様を傷つけて、迷惑をお掛けして.....、ごめん、なさい....!」
『迷惑なんて、かけてないよ』
「ぇ.....」
『私、前に言ったでしょ?何かあったら、言ってねって?』
「でもでもでもでもでもでも.....!」
『.....なら、抹茶プリン奢ってくれる?』
「プリン、です、か.....?」
『そう。奢ってよ、プリン』
それで許して差し上げよう〜とか、ふざけたようにいうと久世はポカーンとしてから、クスッと笑った。
「.....はいっ、奢りますね....」
『いっぱい食べちゃうよ....?』
「彼方様のために七年間貯めた、彼方様貯金がありますから」
『.....そ、そうなんだ....』
なんか、今恐ろしい事が発覚したけど、この子の将来心配になってきた。というか、未来と境さんと同じ匂いを感じる....。
「第四試合、勝者十六夜彼方っ!」
ふぅ....、終わった....。
『(.....あ、まずい.....)』
ふらっ。
「彼方様っ!!」
──彼方っ!──
大量出血で、そろそろ限界らしいね。重くなる目蓋。段々と視界が暗くなっていき、血の匂い。
あ、ヤバい.......。
意識がとぶよ、これ。
これ、何日も寝込むパターンだと非常に困るんだけど。
そんなことを考えながら、私の意識は途切れた。
目を閉じる前に見覚えのある狩衣が見えた気がした。
──────────
noside
血の流し過ぎにより、限界がきた彼方が気を失い倒れかけたところを彼が支えた。
「鵜宮様!」
「相変わらずだなぁ〜〜?こいつは.....」
彼方を支えたのは鵜宮天馬。後ろからは未来、士門、ろくろ達が心配して駆け寄ってきた。
「姉様、久世大丈夫ですか?」
「私は大丈夫。けど、彼方様が.....」
「姉ちゃん.....」
気を失った彼方を天馬が横抱きにして運び出した。
その後ろ姿を見たろくろ。
「アイツ、姉ちゃんのこと....」
「
「大切.....」
「(.....天馬のことを大切に思ってるのは彼方も同じだ)」
「心配かけんなよ、彼方.....」
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ひーちゃん - リメイク前から読ませていただいていますが、とても面白いです!無理せず更新頑張って下さい。応援してます。 (2022年4月5日 17時) (レス) id: fdbe555570 (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2022年2月26日 17時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - すごく面白いです!!!!!!無理せず更新頑張ってくださいッッッ (2022年2月22日 18時) (レス) @page10 id: 069b2b7513 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月31日 17時