第134話 ページ36
noside
輝芽久世の中には強大な呪力が封印されている。
それは彼女自身のモノではない。
昔々の今から千年前。
安倍晴明らと共に戦ったとされている巫女。
彼女に使えていた陰陽師の絶望の籠った呪力が輝芽家には代々伝わっていた。それを内にためられるのが、輝芽久世だった。
彼女の父親は当日大きな力を手にしたかった、十二家に並ぶほどの力をだ。まだ幼い久世に父親は負の呪力を移した。
最初は上手くいっていた。
だが、次第に娘の感情はなくなっていき、感情なき人形に成り果てた。
そんな時、任務でであったのが、十六夜家の天才。
十六夜彼方だった。
その出会いは久世を変えていき、救った。
彼女は少しずつ感情を取り戻していき、いつしか笑う少女になっていった。だが、その幸せの感情と比例してなのか、彼方に思う感情が大きくなるほどに久世は負の呪力を抑えられなくなったのだ。
そして、起こったのは暴走。
いち早くその現場に駆けつけた彼方によって、その呪力は封印された。
陰陽師が絶望した。
それは巫女がこの世を去ったからだ。
時に愛は何よりも強い力になる。
誰かを思うあまりにその力は強大になっていく。
絶望は愛の裏返しなのかもしれない。
──────────
焔魔堂彼方side
よし!
準備万端だよ。
──こちらもよいぞ──
月姫からも準備万端という意味の言葉を貰い、移動していた私はその場に止まる。久世?と十分な距離を取り、構える。
「諦めたのか、十六夜の娘」
『まさか(諦めるなんて選択肢はない)』
「.....ならば、どうするのだ?」
そんなの初めから決まってる。
やることは一つ。
『君にはもう一度眠って貰うよっ!!』
そして、彼女を返してもらう。
バァァァァ....!!
「!?」
『″″天は空を支配する″″』
バッ!
「これはっ!まさか....、私を封印する気かっ!!?」
『″″陸は地面を支配せん″″』
私は唱える。
相手の攻撃を逆に利用して、武舞台に私の血を撒きながら、陣を書いた。気づかれないように間違えないように.....。
本当は間違えても、そういう陣にすればいいから後でどうにでもできる。
なんたって、これは私が即興で考えた封印術なのだから。
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ひーちゃん - リメイク前から読ませていただいていますが、とても面白いです!無理せず更新頑張って下さい。応援してます。 (2022年4月5日 17時) (レス) id: fdbe555570 (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2022年2月26日 17時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - すごく面白いです!!!!!!無理せず更新頑張ってくださいッッッ (2022年2月22日 18時) (レス) @page10 id: 069b2b7513 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月31日 17時