第128話 ページ30
頭にある手を両手で掴み、下に下ろす。
そのまま、包み込み数秒目を閉じた。
「?」
『......』
こうしてると天馬からパワーをもらってるように感じる。
『よし!........ありがとう、天馬!!頑張れそう!』
「!そうかよ」
手を離し、笑顔で御礼を言う。
暖かい手の温度が私の手に少し残る。
「行ってこい」
『うん、行ってくるね.....』
いつもみたいな笑顔を見せる天馬。
さっきの笑顔は、昔見たことがあった気がする。
いつだったっけ........?
グイッ。
『!?』
歩きだそうとした時、腕を引っ張られ正面が通路から天馬になった。
『どうかしたの?』
「!.....いや、.....怪我はするなよ」
『善処はします』
本日二回目の「善処します」である。さっきよりも、嫌な予感はしてきている。怪我なしなんて、絶対無理だと思う。というか、すでに体調不良なんで。
『(あ、思い出した.....)大丈夫だって、ここは禍野じゃない。戻ってくるよ』
そう言って、天馬の手を掴みながら、放す。
ぎゅっと手を握り、再び舞台へ続く通路へと歩きだす。
さっきの顔、あの時だ。
見たことがあったのは、あの時。
「ああ.....」
七年前、私が彼の前から消えた日。
最後に見た、表情だ。
──────────
月姫、準備万端?
──勿論じゃ!久しぶりにそなたと戦えて嬉しいぞ──
私もだよ。
貴女と共に戦える、舞える。
嬉しいよ。
──妾もそれは同じ。........戦う前に小僧に逢えてよかったな、彼方──
うん、元気も力も出た。
やっぱり、逢えるって.......、嬉しいね。
──そうじゃの。妾もそなたと逢えて嬉しいぞ──
私も月姫といれて嬉しい。
ありがとう!
──ふふふっ、嬉しいのぉ。──
.....そろそろ始まるみたいだね。
今日も一緒に戦おう!
.......それと、今日は久しぶりに無茶やらかすかも知れないの。ごめん。
──ふふっ、気にしなくてよい。妾はそなたの力だからのぉ。無茶でも何でも存分にせぇ.....!守ってやるからの──
ありがとう.....!
頼もしいよ、月姫!
なら、頼んだ!
──ああ.....!──
さあ、第四試合のスタートだ!!!
44人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひーちゃん - リメイク前から読ませていただいていますが、とても面白いです!無理せず更新頑張って下さい。応援してます。 (2022年4月5日 17時) (レス) id: fdbe555570 (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2022年2月26日 17時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - すごく面白いです!!!!!!無理せず更新頑張ってくださいッッッ (2022年2月22日 18時) (レス) @page10 id: 069b2b7513 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月31日 17時