第65話 ページ17
「でぇ?お前の妹はぁ?」
「今、準備中です」
「小夜さんの準備......が出来まし.....た」
後ろの扉から紅が出てきて、その後ろに準備を整えた小夜さんが出てきた。小夜さんが地下に下りて行く後にろくろが下りていった。
私達は、下の様子が見れる窓から二人を見守る。
清弦さん、紅緒、私。少し離れて繭良。その隣に、清弦さんを避けている感じの繭良に話かける士門。清弦さんが、繭良に何かを言って繭良が避けているんだと思う。
『(二人とも不器用なところ.....似てるんだよね)』
小夜さんが儀式をするための位置につくと、彼女が身体に纏っていた羽織を脱ぐ。何も着ていない小夜さんの身体には、本物の入れ墨が入っている。士門によると、あれは小夜さんの大きすぎる呪力を制御するためのモノ。そうしなければ、小夜さんが死んでしまうから。
「本土であろうと島であろうと陰陽師を名乗る絶対条件は″守護霊として陰陽師の霊が憑いてくれている″かどうかということだ。歴代陰陽師の守護霊..........俺達はこれを″呪護者″と呼んでいる」
この呪護者こそが呪力そのもの。
小夜さんの身に宿る呪力、呪護者の名は葛の葉.....だそうだ。
『!』
「.......あれ?葛の葉ってたしか」
「そう......葛の葉とは総覇陰陽連の始祖、安倍清明の母の名だ。その正体は狐とも言われ清明に強大な呪力を与えた全ての陰陽師の母とも言える存在.......葛の葉には呪力の本質を見通す力がある」
「!」
「当然呪護者にも有名・無名・強い・弱い・早咲き・遅咲き、色々な特徴がある。真に島で戦う素質があるか否か呪力そのものに問う。それがこの見極めの儀!」
フォ!
「″神呪降ろし″が終わったな。次はいよいよ焔魔堂の呪護者との交信だ」
カッ!!
「ぅお......お....おぉ.....おぉおぉぉぉぉおおぐうぅっあがっ.....!!!!」
儀式が始まった瞬間、ろくろが苦しそうに胸を押さえた。
ドクンッ。
何....こ、れ?
ギリッ.....。
前にも........感じた......?
私の、中......から、何かが引っ張り出される感覚。
『!!?』
グオオォォォォオオ!!!!!
脳に流れ込んでくる光景。
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夏菜沙(プロフ) - ありがとうございます!嬉しいです!! (2021年7月31日 13時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
346 - なんで評価低いのかわからない!面白いです!!これからも頑張ってください! (2021年7月30日 0時) (レス) id: b132005490 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月22日 16時