月姫の陰陽師 (ページ50)

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第48話ページ50

焔魔堂彼方side

学校から出て、ひたすらろくろ達の家を目指す。今日は、ケガレ祓いの予定だったはず.....、でも、二人の強さならあっという間に終わっている。

なら、どこに？
二人はどこにいるの？

『........禍野に......、行った......？』

口からこぼれた言葉にハッとして驚いた。最近は、二人とも禍野に行って実力をつけていたはず。この嫌な予感は、二人の身に禍野で何か起こっているってこと？

普通のケガレじゃ、二人は倒れない。
双星の陰陽師と呼ばれるろくと紅が、そんなに簡単に負けることはない。それに、ここ一年で前よりももっと強くなっている。その二人が負ける可能性があるケガレ.......、

『まさか、婆娑羅と遭遇したってこと.....？』

前に士門に聞いたが、婆娑羅を倒すにも十二天将一人では無理だといっていた。そんな、強いケガレに今のろく達があったら死ぬ確率が高い。

私が行っても足手纏いにしかならない。
それなら、じっさまや清弦さんにこのことを伝えに行った方がいい。ろくろ達の家に向かうのを止め、星火寮を目指す事にする。

「「アッハハハハッ！！！！」」

『.......え？』

人ではない笑い声が聞こえた後。走っていたはずなのに、気が着くとさっきまでの景色が一切ない場所にいた。

.......禍野だ。

『(やられたｯ！！)』

油断していた。
さっきの声はケガレの声。

急いでいて、気づかなかったとかヤバイでしょ。

「「あぁあぁぁぁぁぁぁぁっ！！！！」」

私の身長の何倍もの大きさのケガレが私の前にいる。.......ピンチだ。今の私には、陰陽師の霊符がない。なぜかって？.......ただたんに忘れてきた。清弦さんに見つかったら、修行量倍決定である。それは嫌だ！！と考えていても今の状況は変わらない。ピンチ！！！！である。脳内パニック起き中である。

「おおおおおおおおおおぉぉ！！！！！！」

ドガッン！！

『！？』

目の前にいるケガレをどう倒すかという選択肢を考えていると、どこからか聞き覚えのある声が聞こえた。その声の後にケガレは倒された。

『ろくろ！！？』

ケガレを倒したのは、呪装しているろくろだった。
後ろには、紅緒もいる。

「彼方.......さん！」

「無事か！？姉ちゃん！！！」

『うん！』

君達のお陰で無事だよ！

　