第29話 ページ31
慎之助さん達に清弦さんのことについて話しだす。
「あ奴は天若清弦。一時期この町に配属されておった陰陽師で......何ちゅうかその......ワシの義理の息子にあたる」
「どういうことですか?」
「奴はワシの娘の元旦那でなぁ......」
「え″?.......ってそれってまさか......」
『そのまさか、清弦さんは繭良の父親だよ』
「「(似てねぇ〜〜〜〜〜)」」
二人が思ったことがわかる。
繭は、母親の紫さん似だからね。
「勿論腕も確かじゃぞ?清弦は″十二天将″の一人じゃからな。」
「十二......何だって?」
「安部晴明様が使役したと言われる式神から肖った。武術・呪力・知識、戦闘経験に秀でた最強最高ランクの陰陽師・十二天将」
十二天将......ね。
どこか、懐かしい気がする........ような??
「清弦もまた凶将″白虎″の名を冠する十二天将の一人じゃ......そして、亮悟とろくろには陰陽師としての戦う術を教えた。.......彼方には、身を守るための体術を教えたのじゃ。三人にとっては師匠になるかの」
「やめろその呼び方ぁ〜〜〜」
「!」
『清弦さん』
「師匠っつってもたかが四〜五年基礎を教えた程度、彼方にいたっては一〜二年教えただけだぁ〜〜。まして、こんなボンクラが弟子なんて汚点以外の何ものでもねぇ〜〜」
ろくろを捕まえて戻ってきた清弦さんが、じっさまの後ろに立っていた。殴って気絶させたろくろ。首根っこ掴んで引きずりながら家に入っていく清弦さんを見ながら「やっぱり」と思ってしまった。予想通りだ。
殴られての帰還か.....。
容赦ないなあ、清弦さん。
「________加えて、かつての指導が超絶スパルタだったため。亮悟もろくろも.......それに彼方も未だに清弦に頭が上がらぬのじゃよ」
いや、清弦さんに逆らうと痛い目にあうから.....。思い出したくもない.....。それに......記憶を失う前からなんか、清弦さんには逆らってはいけないと脳が体がいっていたんだよ......。
陰陽師だった時に、お世話になっていたのかな.......?
「トラウマになってるんですね」
「それはそうと清弦。今回は何をしにこの町に来たのじゃ?」
「........馬鹿弟子の尻ぬぐいだよ」
おっと、波乱な予感がするぞ......。
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月12日 20時