第28話 ページ30
「よぉ〜〜〜チビ助ぇ〜〜〜〜」
「！！」
「てめぇは相変わらずチビのままだなぁ〜〜〜」
「清弦......本当に清弦なのか.......？」
ふっと優しい笑みを浮かべ、口元をニッコリとさせたろくろ。次の瞬間、踵を返して走り出した。
「「「「『逃げた！！！！』」」」」
そう、清弦さんから逃げ出したのである。
「嘘だろおおおおおおおっ！！！何で！！？何で清弦が星火寮にいいいっ！！！！」「チビ助、てめぇ〜〜〜〜」と地獄の追いかけっこが開催のゴングがなった。
ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ!!
恐ろしい音がなんか、聞こえてくる。
ろくろを地の果てまででも追いかけて行きそうな音が聞こえるんだけどｯｯ!!?
「ヒトの顔見るなり逃げ出すとはどういう了見だぁ〜〜〜〜！！？」
「ぎゃああああああああっ来たあああああああっ！！！！」
「止まれぇ〜〜〜！！スペシャル清弦コース喰らいたくなかったら今すぐ止まれぇ〜〜〜！！」
逃げたろくろを追いかけていく清弦さん。
「じゃあ、止まったら何もしないんだな！！？」
「今、止まればウルトラ清弦コースで勘弁してやるよぉ〜〜〜！！」
「結局何かやるんじゃねぇかああああっ！！！！」
スペシャル清弦コースもウルトラ清弦コースもどっちも怖いぃぃ！！！！
清弦さんから逃げているろくろは、そのうち殴られて連れて帰ってこられるだろう(事実)。ドンマイ！弟よ......！
『(清弦さんがここに来た理由......)』
後、多分だけど、ろくろが使ってる黒い霊符のことも何か言われるんじゃないかと思う。ろくろは、じっさまから貰ったと言っていたが、あれは清弦さんがじっさまに渡した霊符。
確実に何か言われると思う。
確実に。
清弦さんに殴られ、気を失っていた篤さんが怒っていた。パシられそうになって反抗して殴られ、庭に倒れていたと。慎之助さんも、怒っていて、じっさまに清弦さんの事を聞いている。ろくろを追いかけて、清弦さんがいなくなったことで、そろそろ正座が限界だった亮悟さんが足を崩している。
見つかったらヤバいんじゃ......？
だって、清弦さんは亮悟さんに正座を崩していいなんて、一言も言っていないのだから.....。
痺れて立てなくなっている亮悟さんを見て、いつから、正座をしてたんだろう.......？と現実逃避に近い事を思った私だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年7月12日 20時
