第23話 ページ25
そのため、繭良はケガレに見つからないためにいつも御守りを持っているはずなのに。
『《(もしかして、どこかに落としたとか.......？)》』
そうだったら、まずいっ！！
ろくろ達に知らせないと！！
繭との通話を切って、ろくろに電話をかける。だが、繋がらない。繭の異変に気づいて、禍野に行った......とか？それなら、ろくろが助けてくれるからとりあえず一安心できる。
無事でいて......、繭良！！
──────────
しばらくすると、ろくろから電話がかかってきた。すぐに通話ボタンを押す。話を聞くとやはり、繭はケガレに連れ去られ、襲われていたと。それを助けて、今はろくろ達の家に連れて帰った事を教えてくれた。私は急いでろく達の家に向かった。玄関をすぐに開け、靴を脱ぎ、リビングに行く。
『ろくろ！！繭良は！？』
「大丈夫だ、今は気を失ってる.....」
ソファーで気を失っている繭。
すぐに駆け寄り、怪我をしてないか確認する。
良かった.......。
怪我もしてない。本当に良かった。
「結局.......また戦ってるし」
『ろく......』
「考えるより先に手が出るのは君のいい.......所」
「「手が出る」って言うな！........つうかさ、いくら繭が呪力が高いからってケガレってこんなに頻繁に出てくるもんなのか？」
『それは私も思ってた』
「.......いや、京都にいた頃は人が禍野に連れ去られるなんて月に一度.........あるか......ないか。それなのにこの町に来てから」
紅の言葉に耳を傾ける。
「君と初めて会った時、椥辻さんの時、そして今日.......この数日で既に三回。これは正直多い........多過ぎる。この町がそうなのかそれとも......他に原因があるのか___________.....でも」
次の言葉を話そうとする紅は真剣な表情で私達をみた。
「本当に怖い......のは私達の知らない所......で同じようなことが起きているかも知れない.......ということ」
「.......」
『！』
「.......なあ、正直紅緒はどう思う？」
「？」
『.......』
「.....俺、もう一回戦ってもいい.......かなぁ？」
今にも泣き出しそうな顔で紅に問いかけるろくろ。
紅はろくろは陰陽師にむいてると言った。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年7月12日 20時
