第36話 ページ38
斑鳩さんと別れて、ろくろ達の家に来た私。玄関のドア前に行き、チャイムを鳴らす。しばらくしても、何の反応も示さない。
『(いないの.....?)』
ろくろからこの家の合鍵を渡されてあるので、鞄から出して鍵穴に差し込みドアを開けた。
『お邪魔しまーす』
中に入るが電気の一つもついていない状況で、二人の名前を大声で叫んでも誰も出てこない。もしかして、土御門さんがこの間説明してくれた、トレーニング用の部屋にいるとか?場所を思い出しながら、歩いてその部屋に向かう。
『!!』
なに、.......これ?
トレーニング用の部屋に行くと、ちょっとやそこらでは壊れないであろうこの部屋の壁に大きな穴があいていた。しかも、床にも数多くのクレーターができていた。
......ろくと紅が、ここで修行をしたの?
どうして......?
ま、さかっ.......!
悠の所に二人で行ったの?
清弦さんでも勝てなかったのに?
取り敢えず、じっさまに連絡しないと!!
そう思いバッグから携帯を取り出そうとする。
ドクンッ。
『!?(ぇ......?)』
ギリッ......、
________ガチャン。
その時、私の中で何かが動いた。
いや、動いたというべきか........、
何かが私の中から出てきたというべきか。
.......まるで、
封印されていたモノが
私の中から出てきたような感覚。
なに......これ......?
声を出そうとも出ない。
胸の辺り、
心臓が熱く熱く熱く.....、
こげるような痛みが続く。
苦しい.....!
くるしい.....!
クルシイ......!
あれ、何で苦しんだっけ....?
痛い。
いたい。
イタイ。
なんで、痛いんだっけ......?
分かんない.....?
わかんない......?
ワカンナイ......?
なんで、分かんないんだっけ.....?
.........あれ?
.........アレ?
何にもわかんない中にいる私は.......、
分かるはずのない場所にいる私は........、
一体なんなの?
何であると言うの......?
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月12日 20時