緑の瞳は欠片を探す 《４》

◇いつもの森川とは違うのです ページ10

三和が勝利し、二対二となった。


最終戦、組み合わせは森川とアイチとなった。
あ、これ宮地の勝利決まったんじゃない？



「宮地の勝ちは決まったな。ま、これで無事お兄さん達のカードファイト部ができるってことかあ！」

「それはどうかな〜？」



どういうこと？



「大将、どうぞ」

「うむ。ご苦労」



井崎が森川にデッキを渡しに行った。

え、何あれ？
井崎と三和がニヤニヤしながらフィールドを見ている。



「「スタンドアップ！ヴァンガード！！」」



始まったファイト。



「な、なんじゃこりゃあぁぁ！！これ、俺のデッキじゃねぇぞ！？」

「え？」

『！』



森川のデッキじゃないの？
怒りながら、森川はデッキを渡してきた井崎をにらむ。



『どういうことなの？』

「あの森川のデッキはな、櫂が組んだのさ」

「えぇぇ！？」

『櫂が？』

「いつもの森川と思うなよ！ってなっ！櫂？」



櫂は黙ってフィールドを見ている。

何考えてるの？櫂.....？
ただ、森川のために組んだだけのデッキ？






──────────






″ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド″がドライブトリガーで出た。

″ジ・エンド″が出たと言うことは、あれは櫂のデッキ。
しかも、本気の時のだ。



「(俺の力が今のお前にどれだけ届くか確かめさせてもらう....！)」



真剣な表情の櫂。

もしかして、森川を使って自分の力がアイチに届くのか確かめるためにデッキを組んだの？


まあ、アイチは前よりももっともっと強くなったからね。

自分でデッキを組まなきゃ森川は普通に強いのだ。
もったいないとは思うけど....まあ、それが森川だからねぇ。



″孤高の解放者(リベレーター) ガンスロット″の攻撃。



森川のターンで″ドーントレスドライブ・ドラゴン″をライド。″ドーンドレストドラゴン″のスキルで手札を三枚捨てることで″ジ・エンド″を再度スタンドできると言うもの。


その攻撃でアイチは五ダメージまで追い詰められた。
けどここで、″孤高の解放者(リベレーター) ガンスロット″にブレイクライドアゲイン。


″ガンスロット″にもう一度ライドしたのだ。


その攻撃により、アイチが森川に勝利した。



ブレイクライドアゲインをしたとき、櫂の表情がどこか驚いたような焦ったような表情をしていた。


　

　

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