緑の瞳は欠片を探す 《４》

◇櫂のファンとコーリンファン ページ8

「チームQ4であり、チームNAFでも活躍したカードファイター″櫂トシキ″っ！会えるなんて感動なのです！！」

『彼、櫂のファンだって』

「......」

「なんか言えって」

「.....よろしくな」



バタンッ！



櫂に挨拶されて倒れてしまった小茂生君。



『櫂の挨拶にそんな威力が......？』



嬉しかったんだね。

小茂生君が倒れた直後壁にぶつかってそのままだった森川が動き出し、コーリンさんの方に行った。



「コーリンちゃぁぁぁん！！」

「きゃあぁぁ！！」

『バカ森川っ！.....コーリンさん、こっちに』



コーリンさんの手を引いて、森川から遠ざける。
三和と井崎が止めに入り、アイチはオロオロとしている。



「そこをどけぇ、新導....」

『退くわけないよ。ダメ絶対！コーリンさんに近付いちゃダメゼッタイ』



コーリンさんの前に出て、胸元で両手をクロスさせてばってんを作る。


マジ、ダメ。
アイドルに手を出しちゃ、マジダメ。






──────────






森川を止めて、私達はヴァンガードのフィールドへと移動した。私と生徒会の人は二階からファイトを見る。アイチ達の事情は知っているが、だからといって手加減をしないのが櫂達。


勿論、アイチ達も手加減されることを望んでいない。
ファイトは本気の勝負だから。



『頑張れーー！！』

「お前、それだとどっち応援してるかわからねぇぞ」

『どっちも応援してるの。どっちにも友達いるし....』

「あと、彼氏もな」

『////.....うるさい、三和』



チラッとアイチの方を見ると彼にも聞こえてたらしい。
ちょっと照れている。

余計なことを三和めぇ....！





対戦カード一組目。
宮地学園からはナオキ君、後江高校からは櫂君。
どっちも″なるかみ″を使う。



「もしかして、アイツこっち側の人間じゃねぇ」

『(そうかも....)』



三和がチラリと森川を見た。見られた森川は意味がわかってないが、井崎は意味をわかっていて苦笑。

所々で使ってる言葉。
あれ、本人はかっこいいと思って使ってるんだよね？？

なんか、櫂の言葉の方がかっこいいと思ってしまうんだよね......。



あれか？
イケメンだからか？かっこいいからか？


櫂とナオキ君のファイトは、櫂の勝利で終わった。




　

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