◇心配な後輩 ページ9
今年の体育祭は三年間の中でも濃い行事となり、何故か夕に私の学ラン姿の写メが送られ、「先輩、超似合ってます!!かっこいいです!!」と夕から連絡が来た。
チラリと見たが彩芽の待受画面が私の学ラン姿だったが、.........うん、見なかった事にした。
されるのは恥ずかしいが嬉しそうに見てたし.....。
三年連続の尽八には驚いたが、お弁当も美味しかったし、リレーも勝ったし楽しい思い出が出来た。
週末の部活。
ショルダーバッグに部活に必要な物を準備して、学校の体育館に向かう。電車に乗って学校のある駅で下りる。今日の部活にはまだまだ時間があり、学校まで歩いて行こうかと思っている。
天気が良くて、気温も丁度いい。
風も涼しくてお散歩日和。
たまには良いよね〜、こういうのも。
『........』
.......インハイ、終わってから、か.....。
「真波に何か言ってくれませんか?」と奥山から言われた。部外者が何を言うのか.....。何も言うことなんてないだろう。でも、奥山は「励ますとかじゃなくて、ただ湖羽さんが思った事を言ってくれればいいんです」とこの間の部活帰りに言われた。同じ部活の先輩の俺では何を言っても無理だと。
なら、私でも無理だろ。あれ以来、電話はなくて私からするのも何か違うかなって.....。奥山に頼まれたが、本当に私が出来ることなんて何にもないんだよ。
『ん.....』
なんか、苦しそうに走る真波を見るのは嫌って思いはある。
そう思ったのは確かで.....。
チラッとたまに見るけど、学校ではいつも通り。だけど、自転車になるとひたすら走ってる.....らしい。
というか、絶対走ってる。んで、回りが見えてなくて、自分の走りができてない。たまたま、真波の走っている姿をこの間も見たが、フラフラして、前じゃなくて下ばっかり見てる。
山を登る時も笑ってない.....と聞いている。
あの走りは真波を強くさせるんじゃなくて、寧ろ調子を悪くしている。自分の走りができてない。
『なんか、モヤモヤだよ.....』
小野田もきっと調子が悪いだろう(勘)。
巻ちゃんという目標が、憧れがなくなったから。
でも、この先、もっとたくさんの壁を小野田はこれからも越えて行かないといけない。一人の時もあるけど、チームメイトが力を貸すだろう。金城が何か言ってくれるかもね.....、それが総北の形だから。
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年11月28日 21時