排球部エースは転生少女《７》 (ページ50)

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◇転生エースらしさページ50

『尽八は尽八で好きな人いるでしょう？(てか、付き合ってるし......)』

「ｳｯ.....そうだが.....」

「！」

湖羽の言葉に心の中で驚く。表情には出さないようにポーカーフェイスを発揮している。これは夜久君の前だとすぐに崩れそうになるけど、大体は大丈夫。自分の話をされ、恥ずかしくなるのは当たり前で東堂君から視線を外した。

『(相変わらず、周りハートだらけだなぁ.....)なので、真波はダメです....！』

「！」

何を勘違いしたのか、反対なことを言い出す湖羽。東堂君の言葉を「東堂君が真波君から湖羽をとる」ではなく「東堂君が真波君をとる」みたいなニュアンスになっている。

何故か東堂君が真波君を取るとかいう話になったのだ。
本当に何でそうなったんだっ！？という感じだ。

私も真波君に東堂君取られるのも困る。
東堂君(先輩)、真波君(後輩)の関係もちょっと羨ましいと感じてしまう。それを聞いた真波君は嬉しいそうに頬をほころばせた。

「(真波君、本当に嬉しそう....)」

『(好きな人を取られるのは困る.....)』

面倒くさそうなので否定はしない。
勘違いかも疑わしいし、真波君も嬉しそうだし.....。

「二人とも何してるの？」

『千歳達と話してるんだよ』

湖羽達と同じクラスの桜良がやってきて、話し始めた。移動教室の後に栞先生の呼び出されていて帰ってきたそうなのだ。何の話かは大体わかる。

「それにしても湖羽の調子が戻って良かったよ」

『皆言うけど、そんなにも私らしくなかったの？』

「「「うん／ああ」」」

「まあ、バレーの時は集中してたみたいで大丈夫だったけど、授業中とか窓ばっかり見てたじゃん」

『そんなに見てたっけなぁ』

「「見てた(ぞ)」」

桜良と東堂君が頷いて、私も休み時間での湖羽を思い出して頷いた。バレーには一切影響しないのに、日常生活・学校生活には影響していたのだ。

「ちゃんと湖羽が思いに気づけて良かったよ」

『！.....うん、そうだねー(モヤモヤなくなったし、ちゃんと返事も返せたもの)』

「どうなることかと思った.....」

『そんなにー？』

「そんなに」

湖羽のパーカーの袖を引っ張ってこっそりと言った言葉。気持ちに気づかなかったらどうしようってのは思ってたよ。

　