◇君の事が好きなんだ ページ47
いつも通りの笑顔と心臓がいつも以上にドキドキしてくる。さっきまで普通だったのにその言葉を言おうと心の準備をするだけでこんなにも緊張しちゃう。
『........私ね、恋とかしたことがないの。だから、君に好きって言われた時驚いたんだ』
もう思考回路が停止しちゃう一歩手前まで迫るぐらいに。
これ、マジだよ。本当にキャパシティ越えるかと思った。
真波には言わないけどね?木兎の言葉を思い出して、菊乃の言葉に後押しされ気づかされた。
悩んで考えてたのがあっという間になくなって、私の友達は本当にすごいよね。問題をすぐに解決しちゃうんだもん。
ようやく気持ちに気づけた。
『真波、私ね.....』
ああ、何か震えそうになる。
次の言葉が紡げなくなりそうで、でも言おうとしようと口を動かした。ちゃんと伝えろ。私が好きだと思った人に。
『私、君の事が好きだよ』
「.....っ!!」
私の言葉に真波は驚きの表情と目を開いた。
やっと気づけた私の気持ち。ちゃんと君に伝えられた。伝えようと決めて、君に返事を返せた。私も好きって.....。
『私の事好きになってくれてありがとう』
「!」
恋愛漫画とか見てても、どちらかと言うと少年漫画派なのでまあ、よくわからなかったんだけど実際自分が当事者になると......うん。嬉しいよね.....。
好きな人の好きな人が私なのはとても嬉しくて、すごいこと。
両想いなんて奇跡みたいな事だから......。
私は言いたい事言えたのでやりきった気分だ。
「先輩.....」
『え?.....うわっ』
腕を掴まれ、前の方に体勢が崩れてしまった。驚いて思わず声を上げてしまう。気がついたら目の前は真っ暗で、背中をぎゅっと抱き締められていた。
『真波.....?』
自分が真波の方に引き寄せられていることがわかった私は何故か上を見上げられなくて、そのままの体勢で固まった。「.......ですか?」「え?」と最初の方が聞き取りづらくて聞き返した。
「......本当....ですか?」
『!......うん、本当だよ。君が好きだよ、私は』
「気のせいじゃなくて.....、勘違いじゃなくて......」
『気のせいでも勘違いでもなくて、正真正銘私は君の事が.........真波山岳の事が好きだよ』
何故、そんなのにも聞くの?
信用がないんですけど.......、返事返すの遅すぎた?
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年11月28日 21時