◇困らせるのが恋と言うもの ページ44
水樹野棗side
「ｽﾞｰﾝ).........」
「(.......ここ最近元気ないよね、真波)」
春高も終わった週の私の教室、右隣の席のクラスメイトの元気が著しく低い。その理由はわかっている。湖羽さんに告白して返事が来ないからって事だと確信している。
それか告白してしまった事に対して「湖羽さん、困らせた.....」みたいな事かもしれない。
「しっかりしなよ、真波。湖羽さんに告白してしばらく会ってないからショック受けてるのはわかるけど.....」
「！？な、何で水樹野がその事知ってるの！？」
「(湖羽さんの様子が可笑しいから.....)見てれば分かるよ」
「〜〜〜っ！！」
あげていた顔を私の言葉で机に突っ伏した。
ついに真波が湖羽さんに告白した。
あんなにもバレバレで本人は一切気づいてない。
中学の頃からバレー一筋で、密かに西谷先輩とガードしてたのが先輩をドのつくほどの鈍感に近づけたかなぁと思わなくもない......(目逸らし)。
「湖羽さんならちゃんと真波の事考えて答えてくれるでしょ？」
「分かってるけど.....」
「気まずいと？」
「ｺｸ)......」
真波は落ち込んでいるが、湖羽さんの方も湖羽さんの方で様子が可笑しいのを真波は知っているのか？知らないだろうなぁ。
........湖羽さん、真波の事好きなんだよ。
告白されてすぐに返事を返されてない時点でいつもと違うのに。何も思われてないなら、すぐにフラれるのにまだ返事をもらってなくて、湖羽さんは悩んでる。それが答えで、千歳さん達も気づいてる。
「.......湖羽さん、見てたら言っちゃったんだよ。バレーの事でいっぱいな人なのに」
「！」
「困らせる気はなかったのに.....」
「しょうがないでしょ、それが恋愛ってものなんだからさ」
「......恋って苦しいよね」
その表情を見るだけで本当に恋してるんだなって思う。
と悩む真波の携帯に連絡が入った。相手は湖羽さんで、今日の放課後に話したい事があるという連絡だった。
「真波って今日補習だよね？」
「うん.....」
絶対に告白の返事だと思う。
湖羽さんに会える事に嬉しそうにしてからまた会う事に気まずさを覚える真波は難しい表情をした。
「(あれ？)」
湖羽さんって、取材じゃなかったっけ？
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2022年11月28日 21時
