◇忙しい日々 ページ43
真波が好きと自覚して、次にやることと言ったら、告白の返事だろう。土日の休日に返事を返そうと思ったが、どっちも練習&練習試合で中々時間が作れなかった。
自覚した日の翌日に心配をかけていた千歳達に言おうとすれば、彼女は私に「真波を好きと言うことに気づいたんでしょ」と。
「何でわかったの！？」と驚けば、当然でしょ？というように返された。他の皆からもだ。
さすが、親友。
さすが三年間も付き合いのある友人達である。
『ああ〜、何で今日こんなにも忙しいの.....！？』
「そう言う予定だからね......、ドンマイ」
休みが終わった一週間の始めの日。
告白の返事をしようと朝に一年生の教室に行けば、真波はまだ来てなくて「あ、遅刻魔だったアイツ.....」と今更ながらに思い出し、一時間目から二時間目までは調理実習で家庭科室からしばらく出れなかった。三時間目は体育でバレーボール。白熱しまくってて、告白の返事を忘れていた。
.......私の欠点だなあ.....。
四時間目終了のチャイムがなってお弁当を食べる前に真波のところに言って、告白の返事を返そう。
『(終わった.....！)私、一年生の教室に行って──────』
ガシッ。
『え、桜良サン？この腕は？放してほしいんですけど......』
「この後、スポーツ記者の人から取材受けるの忘れてるの？」
『あ』
「昼休みと放課後........あともう一つ取材があるよ」
『あ』
椅子から立ち上げった私の腕が誰かに掴まれた。掴んでいたのは桜良ですぐ反対側からも同じような誰かに掴まれた感。見れば菊乃がいて、片腕をホールド。絶対に逃がさない！と掴まれている。千歳も来て、二人に引きずられるようにして連れてかれる私。取材を受ける応接室だろう。
「せっかく、真波君に返事返そうとしてたのにごめんね」
「前々から取材に応じるって栞先生が言ってたでしょ？」
『.......ソウデシタ』
「タイミング悪いね.......」
私、今日一日タイミング悪すぎでしょ！！
ド忘れしてたｯｯ！！！
「今日、体育館点検で部活ないでしょ？話すなら、放課後にすればいいよ」
「確か、真波君......補習だっけ？」
「連絡して待っててもらいなよ」
『う、うん......(放課後こそは！)』
告白の返事を返さないとだ。
結構待たせてるもの。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2022年11月28日 21時
