◇悩めるエース ページ36
美園湖羽side
春高予選二日目。
「ふぅ......」
『次の試合まで時間ある?』
「午後からだからあるよ」
トーナメント形式で着実に決勝戦への駒を進めた私達。今日は勝てば二試合で一試合目は先程終えたばかり。ストレート勝ちした。審判をする時間帯があるために棗から呼ばれて、すぐに向かう。残りは準決勝戦だけで、ユニフォームからジャージに着替えてお昼を食べ始めた。......普通に私の手作りである。
『モグモグ)力でる......!』
真波とは、学校では会わなかったなぁ....。
ダッシュして家まで帰ったあの日から二日がたった。大して立ってないかもしれないが当事者にしてみれば、大分たったと思う。私からしたらたった。
『はぁ.....』
「(湖羽さんが、悩み?珍しい.....)」
ああ、わかんない....。
好きってあれだよね?バレーを好きと理屈は同じで、授業中は何で結び付くのかわかんないけど、真波の事考えちゃって、考えないようにしようとする度に出てくるの。バレーしてる時は全然考えないのに。逆に集中力上がってるし.....。返事を考えて返さないととは思うのに中々自分の答えが出来なくて、悩んでここまで来て......。
千歳も尽八も恋する人は皆こんなに悩んでるのかって、改めて再確認中だ。本当に難しい。
──────────
「湖羽ー、どうかしたの?」
「悩み事?」
『ん?いやー、大丈夫.....』
心の切り替えはしっかりつけてるし、今のところ大丈夫。お昼を食べた後の少しの時間。千歳達に心配をかけてしまった。今日のユニフォームは変えなくていいから、着替えはなくて風邪引かないようにジャージを着るだけだった。そのジャージを脱いでコート内に入る時間が来た。
「これ、勝ったら明日の代表決定戦決勝!」
「春高、あの舞台に行くなら今の試合も明日の試合も全部勝って上に進まないとッスね!」
やる気十分。
皆の調子も良いし、私の調子もいい。
春高に合わせて、調子は上げて来てたしいい感じ。
恋の事は一旦置いとく。
『(集中)』
明日の決勝戦に繋げるために全力で跳んで私達が勝つ。
「「「「「「「『お願いしますッッ!!!』」」」」」」」
コートに足を踏み入れた。
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年11月28日 21時