◇寝ちゃうパターン ページ22
『.......眠い』
遅くまで練習して、オーバーワーク過ぎないように調節して今日は早めに帰って、自身の疲れを取ろうと思う。というのも昨日夜遅くまで勉強し.....他校の公式戦のDVDを見てて、遅くなってしまったのだ。集中して観てたら、夜遅くになってしまってやらかしたなぁ〜って。
『それにしても.....、千歳に急遽委員会が入るとは....』
自転車競技部の三年生追い出し親睦ファンライド当日の今日は尽八の走りを応援しに行こうとした千歳であったが、急遽委員会の集まりが開催され、委員長(気づいたら委員長を断るタイミングを逃した)である千歳はショックを受けながらも渋々ポーカーフェイスして、歩いて行った。「湖羽、先に行ってきていいよー!」と言われて、向かおうとしたのだが、窓ガラスから見えた中庭のベンチが気になって私はそっちに足を進めた。.......千歳、間に合わないかもな.....。
『パクパク).....マフィン、美味しい!チョコバナナだー』
比較的今日の気温は高くて、洗濯物を干すのにぴったりだと思う。私も干して学校に来たし。手には、先程彩芽からもらった手作りマフィン。家の中で前に使っていた本を見つけて、久しぶりに作ろと思った彼女が作ったマフィンで、私はそれをもらったのだ。他の皆ももらってて、有り難くと頂いている。チョコとバナナの組み合わせ、とても美味しくてパクパクとあっという間に食べてしまった。
『(.........これ、寝ちゃうパターンじゃないかなぁ)』
と確信めいた考えが私の中に生まれる。
マフィン食べたし、最近寝不足だし......うん、絶対寝るな。
ムニッと頬を触って、引っ張って眠気が覚めるようにする。けど、まあ簡単に覚める事はなくて瞼が重くなってきている。
『(尽八達の走り見に行こうとしてるのに.....)』
これじゃあ、無理かもなぁ。
いや、ちょっと待って!数分間だけ寝るのは良いんじゃない?ちょっとだけ寝て、目覚めたら尽八の走りを観に行けばいいのでは?
『(......あ、ダメ.....眠くなって....来た.....)』
最後のレースなのに見れないのは嫌。
千歳の代わりに応援して来ないと.....。
起きろー、私ー。
という思いとは裏腹に私の意識はシャットダウン。
ここで寝たことが後に私の心に変化を起こすのだが、それは眠った後に分かることだ。
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年11月28日 21時