◇楽しい一時は課題の時間 ページ18
「せんぱ〜い!何読んでるんですか?」
『お、真波』
昼休み、菓子パン(メロンパンとあんパン)を食べ終わった私の元にアホ毛が気になる真波がやってきた。千歳は委員会で遅くなり、彩芽は進路相談の先生に呼ばれていて、菊乃と桜良は図書館で勉強中。春高に向けて、次のテストはいい点を取って赤点回避をそして、受験に向けての勉強をしている。
『兄さんが面白いって言って、(無理やり)渡してきた本を読んでるんだよ』
「何ていうやつですか?」
『探偵ものだよ。前にも読んでたやつ』
兄さんが何故か渡してきた文庫本。
ブックカバーを外して、本の表紙を見せれば「あ、これ今人気のやつですよね?委員長が話してました」「アニメ化するんだよねー」とカバーを付け直しながら、兄さんが言ってた事を話した。本を閉じて、何かを話に来たであろう真波に視線を向ける。
『今日は何か面白いことあった?』
「それがですね!」
喋り始めた真波の話に耳を傾ける。
『(ちょっとは元気出たみたいだね)』
あれから無理な練習はしてないようでちょっとずつだけど元の調子に戻りつつあるそうだ(彩芽情報)。......それでもまだ悩んでいる真波。答えは自分で見つけて理解しないと治りはしない。それでも元気になり始めてるようで何よりだ。
楽しく山を登ってるかは.....、わからないけど。
「先輩、聞いてますか?」
ちょっと拗ねたような表情で私の顔を覗き込んでくる真波。彼にニコッと微笑んで机の下からあるものを取り出した。
『うん、聞いてるよ?......提出してない課題、終わらせようね?(圧』
「何で知ってるんです、先輩.....?」
『しおりんに頼まれたんだよ。単位足りないみたいだね?』
「(先生が言ってた最終兵器って.....)」
ペンケースからシャーペンと消しゴムを取り出して、課題のプリントの横に置く。数学の単位が足りないとしおりんに渡された課題プリント。例え、落ち込んで、悩んでいたって勉強は待ってくれない。数学の単位が危ないそうなのだ。昼休み始まってすぐにしおりんが渡しに来た。
『わからないところは教えるからさ、終わらせようね?』
「は〜い」
最近、私、真波に勉強教える担当になってきてる気がするんだけど気のせい.....?
『(まあ、楽しいからいいけど)』
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年11月28日 21時