◇ドキドキの感情 ページ16
榊千歳side
『ねえ、千歳』
「なに？」
寝る前の少しの時間。
湖羽が何か考えているような表情で私に聞いてきた。
『恋って何かなぁ』
「！？え、えっ！？」
『......何でそんなに驚くの』
「だ、だって！湖羽って、そういうのに興味ないでしょう！？」
『うん。無い』
きっぱりと言う湖羽。
じゃあ、何で聞いたの.....。
『なんとなく、何が恋なのかな〜と思って....』
「何が恋？」
『うん。恋って、どういう感情なのか.....』
「なになに〜〜？？何の話をしているんですか〜？」
「黒尾君！それに孤爪君と赤葦君、木兎君まで」
湖羽と二人で話している前回と同じメンバーが現れた。ニヤニヤ顔の黒尾君、木兎君は興味津々といった表情で孤爪君は気にならないみたい。赤葦君は、無気力な表情だけど湖羽の話が気になってるみたいだ。
「で〜？湖羽チャンは恋のお悩みですか〜？」
『違う』
「じゃ、何の話してるんだ？」
『恋って何って話』
「恋が何かって？」
『そう。千歳は好きな人を見てるとどういう感情がわくのかなーって』
「感情ねぇ〜」
恋って、言うかその感情が気になっているのか。湖羽は、私を見て聞いてくる。黒尾君達の前で言うのは、本当だったら気が引けるけど、親友のためだ。
「その人を見てるとワクワクします。その人の感情に一喜一憂したり.....」
「「「！」」」
『(.....ワクワク)』
「好きな人といれるだけで、嬉しくなったり、ドキドキしたり.....」
「目でおったり、心配になることだってあるよな」
「(.....クロ.....好きな人とか、いたことなかったよね？)」
「その人の意外な一面とか見るとドキッとしたり」
「あと、嫌だなぁって無意識に思うと胸の辺りがモヤッとしたり、チクって痛くなったりするよ.....」
『！(チクッ.....)』
最後の言葉で湖羽の顔が驚いた表情に一瞬変わった。それにしても、赤葦君がすごく詳しいんだけど。あと、黒尾君も......。
「赤葦、お前の言ったこと全部(バレー関係の)木兎のことか？」
「黒尾さんのは、(幼馴染みとしての生活についての)孤爪のことですよね？」
「......二人とも、お母さん」
「「違います／げぇーよ！！」」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 68人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏菜沙 | 作成日時：2022年11月28日 21時
