◇黒崎家 ページ21
『お邪魔しまーす!』
「いらっしゃい、朔姉!」
「朔さん、いらっしゃい!!」
昼休みに一護に言われ日から数日。
遊子ちゃんのお招きに預かり一護の家にお邪魔した。アルバイト等々予定が合わなくなり、黒崎家訪問は大分遅くなってしまったのだ。本当に申し訳ない。
一護は先に帰ってきており、部屋にいると。私は、遊子ちゃん達へのお菓子を買ってから来たために遅くなってしまった。
買ってきたのは、最近話題のショートケーキ。
遊子ちゃんに渡せば、嬉しそうに受け取ってくれた。夏梨ちゃんの方は分かりづらいが喜んでくれてるのはわかる。
「お、朔。来てたのか」
『お邪魔してるよ、一護』
階段から下りてきた一護に片手を上げて挨拶。私服姿の一護はこれからどこかに行くようだ。
朽木さんと用事でもあるのかな?
まさか、付き合ってる.....、とか.....?
いや、ナイナイ。
あの一護だよ?彼女ができるわけ......、
「おい、てめぇ今俺に失礼なこと考えなかったか?」
『ウウン、ソンナコトオモッテナイヨ?』
「片言なのは何でだよ」
『ソウカナー?カタコトカナー?』
さすが幼馴染みであるオレンジ頭の黒崎一護だ。
察しがいいことで。
一護が出かけて行き、夕食までの時間夏梨ちゃんと遊子ちゃんと一緒にテレビゲームで遊ぶ。たまに病院に患者さんが来ない時間帯に一心さんが覗きに来ていた。
相変わらずのウザさだった。
「あ、そうだ。朔姉、お兄ちゃんがこの間借りた漫画返すから俺の部屋から勝手に取っててくれって言ってた」
『ん。じゃあ、今取ってくるよ』
先日貸した少年漫画を一護不在の部屋に取りに行くために立ち上がった。忘れないように今取りに行ってしまおう。
階段を上り、一護とかかれたプレートの前へ。
ドアノブをガチャと回して、中へと足を踏み入れた。
『.........』
「.........」
........拝啓、天国のお父さん、お母さん。
ぬいぐるみって、二足歩行可能でしたっけ??
一護の部屋の扉を開けたら、二足歩行しているライオンに似ている間抜け面のぬいぐるみがいた。私を見た瞬間に焦って固まってぱたっと倒れた。
いやいやいや、違和感ありまくりでしょ。
倒れるぬいぐるみをじぃーと見つめると普通のぬいぐるみではあり得ない冷や汗をかいている。
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2023年9月17日 21時