【Dr.STONE】科学王国の先輩 (ページ8)

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第1話　石の世界になるまでの日常⑥ ページ8

『行ってきまーす！』

制服を着て、剣道の道具を持って家を出た私。家の中からは、叔母さんと叔父さんの声の「行ってらっしゃい」という声が聞こえて来た。

『......あれ？』

これ........燕？
朝の登校時、公園の植物の上に乗っている石像のような物を見つけた。形は春に見る燕だった。「これは、ネットで話題のやつじゃありませんでしたっけ？」と最近、ネットで話題の燕の彫刻？とも言われているソレがあった。

石神先輩が気にしているものだったような？
この間、部活帰りに会った時に話していた気がする。

『.......行きますか』

登校前に見つけた私は、燕の彫刻を手にしてある場所に向かうために歩き出した。通学路ではない道を歩いて、見えてきたのはある場所。でも、そこから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「登校前に開いてるわけないじゃん。動物病院。考えなしだね本当」

「(杠.....！)」

『(あれ、人がいる)』

両手に燕の彫刻を持ってやってきたのは、動物病院。
まあ、先客がいたみたいだけどね？

それも高校の制服を着ている先輩。
私が知っている先輩二人だ。

「大体、こんな彫刻がさ本物の鳥なわけないのに動物病院って.....バカみたい、恥ずかし～」

「(ぬう.....よりによって、こんなマヌケな姿を一番見られたくない杠にバッタリ......)ん？バッタリ？」

「はい、そしてここにもう一人。その考えなしの恥ずかしい子がいます。わお！」

動物病院にいたのは、杠と大樹先輩。
笑い出す先輩に「なんだよ笑うなよ～同類でしょ！」と杠が言う。大樹先輩の手にも、杠の手の中にも、燕の彫刻があって、どうして二人がいるのを「なるほど.....」と理解した。

二人が話している中、杠の後ろの方から、ひょこっと現れる。二人とも話していて、私には気づいていないみたい。

『と、もう一人同じような人がここにもいますよ』

「花百合！」

「花百合ちゃんも動物病院？」

私も一緒だよ！という意味を含めて、手の中にいる燕の彫刻を見せた。

『あはははは........はい。私も朝見つけて、動物病院来ちゃったんですけど.....開いてないの考えてなくて.....』

「三人揃って遅刻だね、これ」

「だな」

『ですね』

その日は、三人揃って中学校と高校を遅刻したのは言うまでもない。

　