【Dr.STONE】科学王国の先輩 (ページ7)

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第1話　石の世界になるまでの日常⑤ ページ7

「てめぇがこの間言ってたじゃねぇか」

『何をです？』

私は何か言ってたっけ？

「「剣道の大会で優勝したら、これくれ」って、俺に言ってきたんじゃねーかよ」

『................あ』

「思い出したか？」

『え.....先輩、覚えててくれたんですか？』

そっちの方が驚きですよ。
シロクマのストラップは、この間杠と買い物に行った時に雑貨屋さんで見つけたもの。可愛くてほしいなぁと思っていたが、剣道の大会も近いし我慢したのをよく覚えている。

ちょっと前に石神先輩に「優勝したらこのお店のシロクマのストラップほしいです」とか冗談混じりで言ったのもよーく覚えている。

「で、いらねぇのか？」

『いりますいります！せっかく、石神先輩がくれるんですから、有り難くいただきます！』

手の上にシロクマのストラップを置かれ、少し見つめてからスマホを取り出した。スマホにストラップを付ければ、シロクマの白が揺れる。

『それにしても、良く覚えててくれましたね』

「花百合、俺の事をなんだと思ってんだよ」

『科学大好き先輩』

「それ以外になにかあります？」と首を傾げれば、先輩はため息をついた。

え、ため息つく要素ありました？
ないと思うんですけど......。

「それぐらい覚えてるわ」

『す、すみません』

「.........てめェのことだろがーよ」

『え？』

「なんでもねぇよ」

何か言われたような気がしたが、先輩は何にもないと言うのだ。先輩は体力ミジンコなくせして、身長は私よりも高い。

『........石神先輩』

「あ？」

『今度、私剣道の大会あるんです』

「知ってる」

『なら、次の剣道大会優勝するのでどこか連れてってください！』

「優勝すること決定かよ」

『ええ、まあ勝ちますよ！』

中学入学してから、連覇してるんだ。
このまま、連覇するに決まってる。
「どこに行きたい？」「え、本当に連れてってくれるんですか？」「行かねーのか？」「行きます行きます！」となんやかんやで優しい先輩は、どこかに連れてってくれるらしいのだ。

『やった！杠達誘って、スイーツバイキングに連れてってくださいね！』

「太んぞ、花百合」

『........それ禁句です』

そう言いながらも、きっと調べたスイーツバイキングのお店に付いてきてくれるんだろう。本当に優しいよね、先輩は。

　