【Dr.STONE】科学王国の先輩 (ページ4)

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第1話　石の世界になるまでの日常② ページ4

「美味しいんだね、お弁当」

『はい、美味しいです！』

中学に入学し数日。
友達が未だにできない私は、幼い頃の付き合いである小川杠と共にお昼を食べている。叔母さんが作ってくれたお弁当をパクパクと口の中に入れ、「美味しい～」と箸を進める。

「登校初日だけど、友達できそうかな？」

『できそうだったら、杠とここでご飯食べてないですって』

「そうだね.....でも、まだまだこれから！」

優しい杠は、しばらくの間友人ができない私のためにお昼休みに一緒にご飯を食べてくれる。

本当に優しいよね、杠は。
彼氏とかできなおのかな？
容姿も可愛いし、モテそうなのに。
この学校の人達は見る目ないってこと？

「花百合ちゃんは、部活決めた？」

『.......う～ん、まだですね』

「この機会に新しいこと初めてもいいんじゃない？」

「手芸部はどうかな？」とウズウズする杠を隣に、中学生になったから新しい事を始めるのもいいなって思う。杠は、手芸部だったよね。

『運動部.....文化部.....ですかぁ』

「見学もできるし、ゆっくり見て決めるのもいいんじゃないかな？」

『ですよね、ゆっくり決めてみます』

部活には入部しなくても、してもいいことになっている。入部期限もないし、ゆっくり仮入部して決めるのも一つの手だ。それがいいかなって私は思っている。

「花百合ちゃん、今日の放課後暇だったりする？」

『え、......まぁ暇ですけど.....どうしてですか？』

「紹介したい私の友達がいるんだ」

『杠の友達？』

「うん、前々から紹介したいなって思ってたんだけど.....中々時間が合わなくて......」

確かに話では聞いてるけど、直接会ったことはなかったなぁ。杠の友人だから、私の先輩だよね。先輩.....先輩って、その言葉(ワード)聞くと入学式初日のこと思い出しちゃうなぁ。

あれから、あの先輩には会ったことはないけど、次会ったら気まずいけどもう一度謝ろう。

「花百合ちゃん？」

『あ、すみません。ちょっと考え事をしてて.....杠の友人に会うのオッケーです。今日の放課後ですね』

「うん！迎えに行くね？」

『いいですよ？ちゃんと自分で行けますって』

「まだ行った事ない教室だから、私が案内するよ！」

「任せなさい！」とやる気十分な杠に、迎えに来てもらうことになった。

　