【Dr.STONE】科学王国の先輩 (ページ3)

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第1話　石の世界になるまでの日常① ページ3

桃色の桜が咲き乱れ、春の季節を知らせる。
毎年この時期に見ているというのに、毎回綺麗だって思える桜を見て、春の訪れを感じる。
家から出れば、空は晴れる青い色。

『うん、綺麗......』

両親が他界し、親戚の家へと引き取られた私はこの春から中学生となった。母の学生時代の友人の娘である杠とは、昔から仲が良くて、彼女の通っている中学校に通うことになった。

『(.......あ、入学式行かないと遅刻する......)』

初日で遅刻は、マズすぎる。
それはめちゃくちゃ嫌だ。
変なイメージついて、初日から目立ってしまうよ。
「あ、あの子入学式に遅刻してきた子じゃない？」って噂されちゃうも知れない(想像しすぎ)。
それはめちゃくちゃ嫌だよ(二回目)。

着なれない新品の制服を着て、バッグとローファも新品で傷を付けないように緊張しながら小走り。

うん、間に合った.....。
ホッとする私。
中学校に着けば、周りには私と同じように入学式に来ている新入生の姿。

ああ、懐かしい。
前とは違うけど、入学式は桜が咲いているのは一緒。

『(あの先輩の頭....白菜みたい.....)』

中学の入学式。
校舎前の玄関で新しい制服とバッグを手にし、一つ年上の杠がいる学校の中に入った。廊下を通れば、私の目に珍しい髪色が入った。つい足を止めてしまう廊下。

私の髪色も他にはいない感じだけど、彼の髪色も珍しい。
白菜みたいな.......どこかで見たことあるような.....。
アニメキャラみたいな髪色、珍しい色。

「！」

『あ......』

ヤバい、目があった。

見てたのバレてるよね？
バレちゃってるよね？
あー、申し訳ない。

きっと、私の学校の先輩だと思う。
慌てて、ポコリと頭を下げて「ごめんなさい」を伝える。後、「初めまして」的な思いも付け足しておく。チラリと相手を見れば、どこか止まったように動いていない。

やら、やら、か、した......？？
先輩に対して、失礼を働いてしまった？？
入学式初日に？

『........ど、どうしよう』

そう考えていると入学式前、新入生が呼ばれ始める時間になってしまった。
確か、新入生は時間までに部屋に行かないといけない。アワアワしながら、もう一度頭を下げてから急いでその場を去った。

珍しい髪色の先輩。
後に長い付き合いとなる一人の先輩との出会いだった。

　