【Dr.STONE】科学王国の先輩 (ページ11)

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第2話　STONE WORLD② ページ11

私、壱里花百合には、色々と人には言えない秘密を持っている。そりゃあ、人間には言えない事の一つや二つあることなんて、知っているのだが、私の秘密というのは結構なファンタジーである。

私には、前世と呼ばれる頃の記憶がある。
元女子高生だった私の数十年分の記憶が、バッチリ(忘れたところは忘れた)とあるのだ。死因も覚えていて、姿も覚えている。黒髪、黒目で今とは全く違う容姿をしていた。

とまあ、私の秘密について簡単に話したけど、この記憶が役に立つのは学校のテストくらいかな？

あと精神年齢が大人って部分だけなので、以外と人生二回目の先輩になるとよほどの事がないと驚かないかな？って思ってたんだけど、これは予想外。

超予想外だったなぁ。

『(まさか、いきなり緑色の光を浴びたら体が動かなくなるなんて、どこの漫画の世界だよって感じですよ)』

剣道部団体戦の試合中、待機していた時に起こったその現象。全くわからず、私はあれからずっと動けずここにいる。

そして、もう一つ私はあることを察してしまった。
秘密が増えたとも言う。

前世の記憶がある私が過ごしている今の世界は、前の世界とは違うということ。アニメとかで見る異世界トリップをしているのだ私は。この世界に転生した転生者ということになる。人類的には珍しい種類(前世の記憶がある)だと思う。こんな珍しさはいらない。

それと多分、違う世界線から来たってのも付け加えとく。

会場に戻った私の前にいた人達の体が、石化しているところを見た。私の体だ。時々、眠くなって意識が真っ暗シャットダウンになりそうだけど、私の脳内にいる石神先輩が「意識飛ばすんじゃねーぞ」と言ってくるので、頑張っている。

『(炭酸、水素、ヘリウム、酸素、二酸化炭素.....)』

えーっと、後は......

一つ一つ思い出して、常に頭の中にいろんな単語を思い浮かばせる。先日習った単元とか一生懸命に頭の片隅から引っ張り出したりしてさ......。

意識飛ばさないようにするのはいいんだけど、ちょっと飽きてきたのは本当。

意識を飛ばしてもなんやかんや、どうにかなりそうだけど.....それでも、本能的に意識を飛ばしてはダメだと思ってる。

これはいつ、終わるのだろうか？

　

　

　

　
　
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ﾊﾟｷｯ

　