◇地区大会決勝戦 �� ページ14
先鋒戦、ゴウキくんが来ると思っていた。だが、相手の席から立ち上がったのはナギサちゃんだった。
「私が相手よ」
「ナギサ？......まさか！」
「ナギサが勝ったらカムイちゃんナギサと結婚ね！」
「....え？....えええええええええっっ！！！！」
驚くカムイの声が響き渡った。
「ナギサちゃんが先鋒戦に？どうして？」
「驚くことはない」
「え？」
さっきの試合では、ナギサちゃんは出ていなかった。
けど、ここまでファイトしていなくても、選手登録さえしていれば出場できる。ミサキと同じように。
「ゴウキ！お前、俺と闘うって男の約束したろ！どういうことだよ！！」
「.......確かに、だが俺は一人の男である前にナギサの兄だ。可愛い妹の頼みを断るわけにはいかん」
「はあ？」
「笑うなら、笑え。だが、最後に勝つのは愛だ！」
「いっ......」
ゴウキくん、シスコンかぁ。
「そうよ！愛よ！」
「そもそもナギサ！お前、ヴァンガードファイトできるのか？お前がファイトしてるところなんて見たことねぇぞ！」
「できるようになったんだもーん☆」
「愛の力だ。.....聞け、語るも涙聞くも涙の話を.....」
ゴウキくんが、ナギサちゃんのファイトをし始めたエピソードを語り出す。ゴウキくんの補正が、所々入っているとカムイがツッコんだ。
「一途なお前への愛がナギサをどんどん強くしていった。そして、ついにはチーム男前のレギュラーの座を勝ち取るまでに成長したのだ」
「カムイちゃんの応援したかったから、ヒロシに代わりに出てもらってたの」
「ゴウキが認めたってことはそれなりの実力ってことか.....！」
油断できないファイトになりそう。
「カムイちゃん勝負よ！！言った通り、ナギサが勝ったら結婚よ！」
「そんな約束できるかああ！！」
「自信ないの？」
ナギサちゃんの煽りに、覚悟を決めたカムイはナギサちゃんとのファイトに望む。
「なんか、胸がムカムカするのだが......」
「わかる」
「多分、この会場の男の半分は同じ反応じゃねーの？」
「「ん？」」
レイジとエイジは、わかってないらしいけどね。
『(このファイト、カムイにもナギサちゃんにも重要なファイトになったね)』
「「スタンドアップ！....ヴァンガード！！」」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年7月2日 22時
