◇お弁当タイム �� ページ12
ナギサちゃんが、カムイの言葉に反応せずに抱きついた。「は、放せぇ！！」「やあだ！！」とナギサちゃんの手をほどこうとしているカムイ。ナギサちゃんは、中々離れず嬉しそうにカムイに引っ付いている。
それを見て、私は思った。
多分、状況を知らない人が見ても同じような事を思うんじゃないかな？
『恋人同士に見える』
「あははは......」
「あ、あのエミさん！こここここれは.....！」
ﾎﾟﾝｯ。
カムイとナギサちゃんを見ていたエミちゃんが、手のひらにポンと軽く叩いた。
「カムイ君の恋人なんだね！」
「そうなの！もうすぐ結婚式をあげるの！！」
エミちゃんも中々の鈍感？(言ってる本人も中々の鈍感)
『え、結婚できる年齢じゃないよね？』
「カサネさん、そういう問題じゃ......」
でも、いずれは関わってくる問題じゃないかな？
「あげねえ！てか、恋人じゃねえ！！俺が好きなのは....」
「ナギサでしょ？」
「違う！」
「ナギサなの！」
「違うー！俺が好きなのは....！」
ナギサちゃんに捕まりながら、視線は好きなエミちゃんへ。
「ん？」とエミちゃんの方は急に止まって、自分を見ているカムイに首をかしげた。赤くなって固まるカムイに、ナギサちゃんは彼が誰を好きか気づいたみたい。
わからないのは、本人だけだね(あんたもな)。
「カムイちゃんはナギサさのなの！」
「え？」
気づいていないエミちゃんに、言い放ったナギサちゃんに彼女はキョトンとした。
うん、だよね。
「あはははは......」
「モテる男は辛いねぇ」
『だねえ』
「お前が言えないだろ」
『は？』
そう言って席を立つ櫂に、首を傾げた。
え、どういう意味？
私に向かって言ったよね？
『(というか、櫂はどこに行くんだろう？)』
まあ、試合前には戻ってくるかな？
ファイトには、出場するでしょーから櫂がどこに行こうと気になるが、追いかけるとかはしない。三和が、櫂に同流しそうだし。
カムイとナギサちゃんの話は続き、「自分のために作ってくれたサンドウィッチを、マケミに食べさせてすみません」とエミちゃんに謝っているカムイ。
いや、カムイのためじゃなくて、アイチのためにエミちゃんはお弁当を作って来たんでしょ？
「ﾑｶｯﾑｶｯ)決めた！勝負よ！」
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年7月2日 22時
