◇繋いだ手のドキドキ �� ページ1
「エミさん！見ててください！今度こそ、地区大会に優勝して全国大会制覇してそして！あ、あなたとけ....け....けっこ......やるぜぇーーー！！」
「？」
またしてもエミちゃんは、何の事かわからない様子。
「あっ！(僕がカムイ君、ミサキさん、櫂君と肩を並べて！？ヴァンガードチャンピオンシップに？.....あ、あれ？イメージはこれでいいのかな？)」
『そのイメージだと野球の甲子園だよ』
なんとなくだけど、アイチがイメージしてる光景がわかったので否定しておく。
『櫂、おめでとう！いろんな強い相手とヴァンガードできるね』
「そうだな」
「結構嬉しがってるな、櫂のやつ」
『だね〜』
表情には出ていないが、嬉しがってると思う。
全国にはまだまだ強いファイターや知らないファイターが、たくさんいる。その人達とヴァンガードファイトが、できるから櫂は嬉しそうだ。
「カサネ、何で手繋いでるんだ？」
『は？』
手、繋いでる.....？
誰が......？
何言ってるんだと思いながら、隣を見ればアイチがいて。
『え？』と自分の手を見れば、私の手はアイチと繋がっていた。
『あ.....』
私と手を繋いでいたことに気づいた彼は、頬を赤くして、慌てて手を放した。おっと、手を繋いでいたことを忘れてた.....。手を引っ張った後そのまま繋いでたんだった。
「お前ら気づいてなかったのかよ」
『うん。.....ごめんね、アイチ。嫌だったよね？』
「えっ！？い、嫌じゃなかったですから！！」
『ホントに？』
「ホントです！！」
『ﾎｯ)それなら良かったよ.....！』
本当に良かったよ.....。
こんないい子に嫌われたら、立ち直れなそうだし。
『(なんか、アイチと手繋ぐのドキドキしたかも.....)』
.......ん？
今、私なんて思った.....？
″ドキドキ″って......。
え、何でだろう？
『(.....わかんない.....わかんないなぁ.....)』
私は首を傾げている間、アイチは繋いでいた手を見つめている事を知らなかった。
「あいつら、付き合ってるのか？」
「いや、付き合ってる云々よりも告白もまだしてねぇよ」
「(はあ.....カサネの鈍感も筋金入りだね)」
「(アイチ、頑張れ....！)」
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年7月2日 22時
