◇日常に転生を �� ページ7
お昼前の授業。
先生の話を聞きながら、ボーッと窓の外を見ている。
晴れた空には、雲なんて一つもなくて、太陽の光と青い空が広がっている。
『(うん、変わんないなぁ.....)』
前もこうして、先生の話をBGMにして教室の窓ガラスから外を見てたっけ？
前.....、私にとっては、中学生の時でも小学生の時でもない。もっと、前の懐かしい日での思い出。
『(懐かしい)』
懐かしい、私が今の私になる前の記憶だ。
アニメや小説の中でしか聞かない話だと思ってた。
それが現実になった時、めちゃくちゃ驚いてしまったのは、当然だと思う。
じゃなかったら、精神レベル高すぎるよ！
前世の記憶を持って生まれた。
そんな事を何も知らない人が、最初に聞いたら「え？？」となってしまうのは、簡単に想像できる。夢じゃないの？想像なんじゃないかなって？思ってしまう事を体験した。
それが私、新導カサネ。
転生してるって気づいたのは、いつだったっけ？
そう思うほど、私がその事に気づいたのがこどもの時って事なのかな？
同じなのに......同じじゃないなぁ。
似てるのに、きっと似てない世界。
「おーい、授業終わったよ」
『！』
「なぁに〜黄昏ちゃってるの？」
『黄昏てはないよ、ツムギ』
いつの間にか、授業は終わっていて前にいたはずの授業担任の先生もいなかった。
ホントだ、知らないうちに授業終わってたんだ。
「ご飯、食べよう」
『いいよ〜』
私に声をかけてくれたのは、中学生からの友達である、加原ツムギ。陸上部に所属している期待のエースで、短距離とハードルを得意としている。
机の上にお弁当を置いて、ご飯を食べる準備を始めた。
「毎日、本当に美味しそうなお弁当だよね」
『そう？ありがとう』
「卵焼き一個もらってもいい？」
『うん、どうぞー』
ツムギが、パクりと卵焼きを口に入れた。
「美味しい！」『我が家は、甘めの卵焼きなんだよ』「カサネが、作り始めてからなんだっけ？」『そうかも』と私も自分の作った卵焼きを食べる。
お弁当作って、友達とお昼を食べて。
転生前と変わっているようで、変わらない毎日。
これが私の日常で、私の世界での生活。
異世界のファンタジー世界でもない。
けど、きっと不思議な事が起こる世界であることを私は知っている。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年6月22日 22時
