◇お昼休みの御時間です �� ページ45
お昼休みの合図と共に、お店のショップ大会に参加してくれていたファイターの人達と、観客のお客さん達が次々とキャピタルを後にして行った。
私はマイクをテーブルに置いて、エプロンを外す。
「お疲れ様、カサネ。二回も交代するなんて」
『ありがとう！......なんで、私が代わりに進行役をしなきゃいけないんだろ.....』
「それは......」
チラッ。
ミサキと共に横目でシンさんを見る。
ようやく、戯れは終わったらしい。
これ、パターン化しそう。
「あと、一時間もある」
「だあああ〜！！この俺の燃え上がった闘志をどうすればいいんだぁ！！」
「丁度、お昼だしご飯でも食べて来たら？」
『あ、いいね！それ！』
ファイトで集中力も体力も、削られたんだからそろそろ休憩したほうがいい。
普通にお腹空いたし。
けれど、アイチ達はお昼の準備をしていないみたいだったんだけど、エミちゃんが手作り弁当を持ってきていた。お弁当の中身はサンドウィッチで、とても美味しそうだった。
「にゃ〜あ！」
エミちゃんの足元に、シンさんと戯れていた店長代理が来た。何か伝えたそうにしている感じがする。
あ、何が言いたいか分かったかも......！
「.....ああ。私、実は少し猫語分かるんだ」
「ほんと？」
「いや、冗談だけど」
『(ミサキが、冗談言った....！珍しい.....)』
アイチ達は、ミサキが冗談を言ったことに驚いていた。そんな二人をミサキが軽く睨む。エミちゃんに視線を移して、店長代理が、言おうとしていることを伝え始める。
「あー、えっと多分、店の中で食べちゃダメって」
「え、そうなんですか？」
「うん。店内は飲食禁止だから」
「ほ、ほらカードも汚したりしたら大変だろ？」
「そっか....。ごめんなさい、私知らなかったから」
「にゃあ〜」
店長代理の前で、かがんで困った表情をするエミちゃん。
「けど、お弁当どうしよう？」と折角作ってきたお弁当が、食べれないのはショックだ。
『それなら、お店の脇にベンチがあるからそこで食べるといいよ』
「はい！」
外にベンチがあるから、そこなら店内じゃないし飲食オッケーだ。
『あ、ミサキ！.....お弁当私も作ってきたの。外で一緒に食べよう？』
「うん。ありがとう、カサネ」
『どういたしまして！』
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年6月22日 22時
