【ヴァンガード】緑の瞳は欠片を探す (ページ31)

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◇アイドルな友達　Ⅱ ページ31

そして、問題が一つある。

″二人組で御来店のお客様限定″と載っているんだ。
という事は、友達も連れずに一人で来た(これだけ聞くと友達いないみたいだけど、ちゃんといるからね！？)私は、注文できないということになる。

『(どうしよう......)』

今から、誰か呼ぶ？
クロノなら、学校から帰ってきてると思うし、電話して来てもらう？いや、でも友達と遊ぶとか予定入ってたら、申し訳ないな。クロノには、ケーキ買って帰ってくる予定だし......。

ミサキ達は、今頃ヴァンガードファイトしてるよねぇ。
誘えない。誘いずらい。

「『はぁ.....食べられない／の』」

『ん？』

「え？」

今の溜め息と言葉は、私だけじゃなかった。
隣から聞こえてきた声に、首を動かし隣を見れば帽子とメガネを着けた、おしゃれな服装の女の人が立っていた。女の子とは言えず、女の人と言ってしまいそうな大人っぽい雰囲気で、ミサキとは違う大人っぽさ。

『あの、もしかして......』

「貴女も.....？」

見ていたのは、私と同じポスター。
ならば、″二人組で御来店のお客様限定″という言葉も確認しているはず。

この人も.....もしかして、一人で来て......限定プレートを注文したいのでは......？

『！』

そして、私はあることに気づいた。
ここにいるのは、私と彼女。
″二人組で御来店のお客様限定″と.....″二人組″と書かれているのだ。

さて、ここにいる人数は私と彼女で、二人。
書かれている人数と同じである。

二人なら、頼めるのだ。
勇気を出して、一歩.....ではなく、今回は勇気を出して一言である。

食い意地張ってる？

いいじゃん、ケーキ美味しそうなんだもの。
それに「限定」「割引」「美味しいケーキ」には、女の子はつられるものなんだよ？！ミクルさんだって、ミサキだって、きっとつられちゃうよ。

『(それに、前世と違ってアルバイトしてるんだよ、私)』

自分のお金で、なにかを買う事は達成感が半端ない。
ご褒美としてケーキ食べたっていいじゃんか！

それに、隣の彼女も表情は、「残念だったわ」みたいな感じで平然を装ってるけど、チーズケーキのポスターを見て、ショック受けてた顔は本物だ。

彼女も食べたいのは間違いない。
だから、誘うの。

『もし、良かったら.....一緒に注文しませんか？』

「！」

　