【ヴァンガード】緑の瞳は欠片を探す (ページ30)

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◇アイドルな友達　Ⅰ ページ30

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ。

「今日の授業はここまで。授業終わったら、前回のノート提出するように！日直」

「起立！」

日直の号令と共に私達は、立ち上がり挨拶をした。
今か今かと待っていたチャイムが鳴り、教室から続々と外に出ていくクラスメイト達。私も鞄にペンポーチや教科書をしまって行く。

「カサネ、今日どこか行くの？」

『え、良くわかったね。これから、気になってたお店に行くんだぁ』

先日、ミクルさんが行ったと言っていたケーキが美味しいお店。今日は、バイト代を使ってそこにケーキを食べに行く。クロノにもお土産で、帰りに買う予定だ。

「じゃあ、お前今日キャピタルのバイトねぇのか？」

『そーだよ』

クラスメイトのツムギと三和が、私の席に来た。
二人とも帰る準備をしていて、ツムギは部活へ、三和と櫂は多分カードキャピタルに行くのだろう。

『三和と櫂は、カードキャピタル？』

「おう、行くぜ」

「な、櫂！」と三和が、櫂に同意を求めれば、身近な返事が返ってきた。鞄を持って、玄関まで同じ方向の私達は、自然と固まって一緒に歩いて行く。

『また明日ね』

「また明日！ケーキの感想教えてね」

『オッケー』

「じゃあな」

靴を履いた後、三人に手を振って別れる。
足取りは軽く、スキップするぐらい気分はいい。

『(楽しみだなぁ、ケーキ！)』

──────────

ケーキの中でも、このお店はチーズケーキが美味しいと話題だ。私は、そのチーズケーキを食べるためにお店に行く。

『........え』

お店に入る前、私はあるものが目に入り固まった。
壁に貼ってあったのは、カラーのポスター。
カードキャピタルの店内にも、貼ってあるカラーのポスターと同じで、写真が鮮やかに印刷されていた。

″友達割引二人組で御来店のお客様限定″

″チーズケーキプレート″

チーズケーキとレアチーズケーキ(ブルーベリー)が、一つのプレートに美味しそうに載っていた。

『(美味しそう......！)』

チーズケーキだけ食べに来たけど、このポスターでレアチーズケーキも食べたくなってしまった。しかも、レアチーズケーキは、このプレートでしか出さないらしい。「レアチーズケーキ、ください！」と言っても、注文できないのだ。

　