◇ソウルブラスト �� ページ29
今回のファイトは、″ドラゴニック・オーバーロード″がメインというより、″ボーテックス・ドラゴン″の八枚のカードをソウルブラストする攻撃で、櫂が勝利をおさめた。
「この程度か」
「待て、もう一度勝負だ！」
「断る」
「何！？」
「お前の力量はわかった。俺と闘う勝ちはない。」
カムイの前から歩いて出入り口に向かう櫂。
その前にアイチが出る。
「櫂君！」
「先導アイチ。.....俺に関わるなと言ったはずだ」
「うん。もう話したくないことを無理に聞いたりしない。後を着けたりもしない。だって、ここにいればまた会える。いつか、ファイトもできるんだから！」
「お前にその力は......」
「わかってる。櫂君の言うとおり今の僕は闘う勝ちもない相手かもしれない。でも、僕強くなるよ！だから、いつかきっと.....！」
「勝手にしろ」
ドアから出ていった櫂。
「また来てね〜！」と背中に声をかけたシンさん。
私達はその背中を見て、口を開いた。
「素直じゃないやつ」
「ほんとにねえ」
『素直な櫂は逆に怖いよ』
「なかなか良いファイトじゃないですか。......楽しみ楽しみ」
そう言いながら、シンさんがあるポスターを作っていた。
その事を知ったのは、その日の夕方。
バイト終わりのことだった。
──────────
『で、シンさんは仕事してたの？』
「あ、それ、私も気になる」
「ｳｯ.....し、してましたよ〜」
カウンターに座り、仕事をしていたシンさん(多分)。
櫂のファイトを見た後にシンさんのところに二人で様子を見に行った。
視線をそらしながら、手を動かすシンさん。
気になって、パソコンを見ると全然進んでいないというか、手すらも動かしていただけでボタンを押してない。
『シンさん、やってないじゃん』
「店長代理に邪魔されたんですよー！」
「言い訳！」
ミサキの一言に「すみません....」と謝る。
よ、弱い....！
「そんなことより！これ！」
『何これ？』
シンさんが見せてきたのは、カラーのポスター。
ミサキがポスターの大きな文字を読み上げる。
「″カードキャピタルショップ大会″？」
『やるの？』
「はい！開催しますよ〜！」
もしかしたら、アイチと櫂のファイトが案外早く、見られるかもね？
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年6月22日 22時
