◇小学生ファイター登場 �� ページ22
「ん？」と首を傾げて来店したアイチ。彼の視線の先には、私とミサキが見ている方と同じ。
『いらっしゃい、アイチ』
「こんにちは、カサネさん。....何してるんですか？」
『井崎と小学生の子が、ファイトしてるの』
アイチがカードキャピタルに来る前、井崎が小学生の少年とファイトを始めた。その決着が、今ちょうどついたところだったのだ。
小学生ファイターは井崎に勝った。
『(この子、強いね。)』
井崎よりも森川よりも.....。
「誰だっけー？俺を倒してギャフンと言わせてやるとか言ってたの？負けたんだからお前が言えよ」
「くっ......」
それに生意気だね、この小学生達。
「勝ったっからっていい気になってんじゃねーぞ！！」
森川の言葉に、バカにしたような躍りを踊る小学生達。
バカにしたようなじゃなくてしてるね、明らかにバカにされてる中学生二人。
彼らのしょーもない言い合いを見て、ミサキは溜め息。アイチは苦笑。私は、というと呆れている。
喧嘩のレベルが小学生と一緒って......。
「あっ.....ダメージ2で勝ったんだ。すごい.....」
「すごい？この俺が？.....違う、すごいんじゃねぇ。俺様は強いんだ！！鼻の穴かっぽじってよおーく聞けえ！！」
アイチの呟きに、反応を見せたファイトをしていた小学生の一人。
「この葛木カムイ様がナンバー1！！」
「かっぽじるのは鼻じゃなく、耳の穴」
『うんうん』
「はははは.....」
言葉も間違ってるし。
「このクソ生意気なガキはヴァンガードファイトつえーが性格的に問題があんな」
「『お前が言うか／君が言うの』」
どっちもどっちだ。
「まさか、櫂君も？」
『櫂はこの子とファイトしてないよ』
ファイトしてたら、三和が教えてくれると思う。
騒ぐ小学生ファイター、カムイにアイチが話かけた。
「.....あの、次は僕とやってみない？」
「名前は？」
「先導アイチ」
「先導.....アイチ？.....お前、弱いな。お断りだ」
「え？」
名前を聞いただけで、アイチとのファイトを断ったカムイ。いや、まだアイチは始めたばかりで弱いと思うけど....。
この小学生、森川と同じぐらい生意気だ。
その後、森川がカムイに勝負を挑み、結果は目に見えている。
........カムイの勝ちだった。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年6月22日 22時
