◇必然の出会い �� ページ3
noside
青い髪の少年と緑色の瞳を持つ少女。
その出会いは、偶然だったのか.....。
必然であったのか、どちらだったのかと数年後しに、彼女は思い出し考える。
再び会えたのなら、その答えがわかるのかもしれない。けれど、今はまだわからないまま。
『君、どうしたの？』
「え、あ、えっと......」
ランドセルを背をい、頬や手に絆創膏が貼られている少年に一人の少女が、声をかけた。少女が、視線を少年から移し、手に一枚のカードが握られているのを見た。
『そのカード、かっこいいね！』
「うん！そうなんだ！」
ベンチに座る少年に少女は、笑顔を向けた。
一枚のカードを見て、少女は素直な感想をもらした。
『それにしては、元気ないね？何かあったの？』
「.........僕、このカードをもらってから勇気が出たような気がしたんだ。この″ブラスター・ブレード″を持ってると自然と勇気がわいてくる！....けど......」
『けど.....？』
言葉を止めた少年に少女が、首を傾げてその先の言葉を待っている。少年が、話すよりも先に少女は何かを察したようで、ポケットに手を入れて、何かを握った。
『なら.....これあげるよ』
「え....？
「御守り？」と少年の目の前に差し出された物を見た。
『そう、私が作ったんだぁ』
「そうなんだ、上手だね！」
『ふふっ.....！ありがとう！嬉しい』
「う、うん......！！」
少女が渡そうとしているのは、牡丹色の御守り。
近くで見れば、手作りだとわかる。少女が手作りで少女の手から少年の手に渡される。
『勇気がでるように....。君の背中をもう一押ししてくれるように.....君にこれあげる』
「えっ！で、でも、これ君のじゃ.....！」
『そうだけど、君にあげる！！.....頑張って！』
『応援してるから！』と笑顔を見せた彼女から、少年は御守りを受け取った。
「.....あ、ありがとう.....！」
『どういたしまして！』
笑顔でいる少女に連れて、少年も微笑んだ。
その笑顔にお互いの心を動かし、感じた胸の高鳴りは、数年後解決される。
その時の彼女は何も知らない。
この日、名も知らぬ二人は出会った。
これが少年と少女、二人の初恋の始まりであったと。
後にわかることになる。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年6月22日 22時
