◇変わりだす先導者 �� ページ17
化粧品会社の社長だから、そういうところには気をつけてるのだ、ミクルさんは。
シンさんは、私達の紹介をおえるとカウンターにおいてあるカードを女の子に見せた。
「ちなみに今一番流行ってるのは、これ！ヴァンガードだよ！」
「あ！」
何かを見つけたように女の子が声をあげる。
視線の先には対戦エリア。
よく見ると森川とアイチがファイトしているテーブルを見ているようだ。女の子の目線にしゃがんでシンさんがヴァンガードの説明をしようとする。けど、彼女はアイチ達のファイトに夢中。
さっき、女の子が「アイチ」と小さく呟いていたのが聞こえた。知り合いなのかな？
二人のファイトが始まり、私もカウンターの方から見る。
丁度森川の手札が見えた。
『(森川の手札、グレード3ばっかり.....バランス悪いなあ......)』
シンさんも同じ事を思っていたのか、その事を話している。
隣でファイトを見ている女の子が難しい顔をしていたので声をかけていた。
「ヴァンガードに興味あるんだっけ？何をやってるのかわかるかい？」
「ううん、全く。何がなんだか」
「そっかあ....。でも、ルールはすぐに覚えられるから大丈夫だよ！.....そうだ！なんだったらこの後で私がレッスンしてあげても.....！」
シンさん、それは.....、
「『調子に乗り好き／ですよ』」
「アハハ....、覚えたかったらいつでも言ってね」
「はい」
全く、シンさんはすぐ調子にのるんだから....。
テンション上がりすぎ！
再び、アイチ達がファイトしているテーブルに目を向ける。それにしても、森川はグレード3ばかりでバランス悪い。アイチもアイチでグレード3が無さすぎで、それもそれでバランスが悪いなあ。
今は、森川レベルの奴(グレード3ばかり入れる)を倒せてるけど、これから.....櫂とかもっと強いレベルの人達とやるんだったらあのデッキじゃ難しい.....。
『(アイチは″ブラスター・ブレード″がメインぽいけどグレード3持ってるのかな？)』
考える中でもファイトは進み。
森川のおバカさ丸わかり発言に、アイチは苦笑するしかない。口にしないあたり、アイチはものすごくいい子だ。
櫂やミサキ辺りは、溜め息吐いて、呆れて、そく倒して、ハッキリ指摘する。二人共ハッキリと言うタイプだ。そして、空気も読める。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年6月22日 22時
