◇初恋プロローグ �� ページ15
『うんうん、やっと自己紹介できた』とカサネは、満足そうに笑った。カサネがアイチとの会話で気になったのは、アイチのクラスの社会科の話。先生が面白くてわかりやすいそうだ。どんな先生なのか？とカサネが訪ねた。
『へぇ、社会の歴史の授業面白いね』
「はいっ、でも僕上手く答えられなくて.....」
『ああ。私もそういうことあったなあ......！(懐かしいなあ、先生の話を聞いてない時にあてられて、答えられなかったんだよね〜)』
アイチと微妙に違うが本人は知らない。
口に出して、本人に言わずに自己解決をしたため。
『(あんまり発言しないタイプだったんだよね)』
カサネが想像し、思い出しているのは今世の事なのか。それとも、前世の学生だった時の思い出だったのか。それは本人しかわからない事。実際、カサネが思い出していたのは、
『まあ、でもちょっとずつ答えられるようになるよ、頑張れ！』
「はいっ！(カサネさん、いい人だなあ.....！)」
『話聞いてると私も、その社会科の授業受けてみたいかも』
「さっき、話を聞いてて思ったんですけど、カサネさんは後江中学じゃなかったんですか？」
アイチの社会科の先生は、去年カサネ達がまだ中学生の時にも学校にいた。全く知らないといったような反応を見せるカサネに、アイチは彼女が通っていた中学が違うのでは？と考えた。その考えは合っている。
『うん、そーなんだよね。私、中学は晴見中学なんだよ(ミクルさんが通ってた中学に私も通ったんだよねぇ)』
中学は後江中学校ではなく、叔母であるミクルと同じ晴見中学校であったカサネ。後に新導クロノも同じように中学が、同じことになるのだが本人はまだ知らない。「クロノは中学、晴見かな？」ぐらいにはちょっと思ってるレベルだ。
「お〜い、アイチ。今度は俺ともファイトしねぇか？」
「！」
ミサキ達と話していた三和が、あちらでも話を終えアイチをファイトに誘った。アイチは、「ファイト楽しんで！」というカサネの言葉に頷き、三和達の元に向かった。
「御守り大切にしててくれて良かったわね」
『うん、本当に嬉しいよ』
それに代わるようにカサネの側には、ミサキが来た。『あの時の少年が、櫂とも知り合いだったって、世間は狭いね』と懐かしそうな表情をカサネは見せた。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年6月22日 22時
