第5話 決めた道、歩き出す道�� ページ19
「お前が誘拐されかける話は賛成だ」
『【でしょ？】』
「いつでも助かるなんて保証はない。護身術を習う程度なら良いだろう」
『【そうだよね！】』
誘拐のために護身術を習うのは小芭内さんも賛成してくれる。そりゃあ、誘拐されてあの屋敷に連れて来られたのだ。誘拐されないようにするのは大切な事。今までがロリコン(？)だったからよかったものの、変質者に会った場合でも一人でどうにかできるようになりたい。お母さんの平和も守りたい。
「だが、鬼殺隊はいつ死ぬかわからないんだぞ」
『【それなら小芭内さんも同じじゃん！】』
「俺はいい」
『【何で！？良くない！！】』
何でそれで自分はいいって言うんだ。
..........でも、分かってる。きっと小芭内さんは自分が生まれたあの場所での環境が嫌なんだ。鬼が人を襲って奪ったお金で暮らしていた一族の血が流れているからと。
「........鬼狩りになっれば″いいこと″をしていると思えると思うんだ」
『！』
........そう言われると何も言えなくなる。
きっと私がどんなに否定したって、小芭内さんの血筋の事を本人は気にせずに過ごすことはできないだろう。
私は小芭内さんが危ないけど鬼殺隊に入る事へは、小芭内さんが決めた事だから私に止める資格はない。
『【心配してくれるのは嬉しいけど！嬉しいけども私も周りの毎日を守る力がほしいの！】』
「......っ.....」
『【小芭内さんと戦い！守りたいじゃダメなの！？】』
「！」
私の大切な人のくくりに小芭内さんはちゃんと入ってる。
良くない血族の出だからって小芭内さんの事が大切で幸せになってほしい人なんだよ。真っ直ぐと彼を見れば、見つめ返され溜め息をつかれた。
「わかった。もう反対はしない」
『(やった！)』
「でも無茶はするな」
『【え？】』
「外に抜け出して山菜採り、誘拐犯から脱走、鬼に襲われる......全て無茶しているように感じるのは気のせいか？」
『【気のせいだよ】』
「そんなわけあるか！.....心配だ。だから、無茶をしすぎるな。わかったな？」
『【善処する】』
鬼という規格外と戦うのに無茶をしないのは無理じゃないかな？と思うが善処はする。
溜め息を吐かれながら、私と小芭内さんの鬼殺隊を目指す事になったのだった。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年4月15日 14時
