【ブルーロック】方向音痴の初恋話 (ページ5)

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story.4 ページ5

『頭ん中、サッカーが好きだからいっぱい考えるんでしょ？別に変じゃないよ』

「ホ、ホント？」

不安そうに聞き返してくる少年に、私は頷いた。

『うん！それに好きな事に君は一生懸命になれるんでしょ？カッコいいよ！』

「カッコいい.....！」

『カッコいい！何かに一途になれることに出会えるってそう簡単にないもん』

そんな風に好きになって、好きと思えるものに出会えるなんてあんまりないものだよ。

あと、普通に私の価値観だけど、何かに一途な人はカッコいいと思っている。前世から。
なのでニコッと笑って、少年の手をとってぎゅッと握る。

『君、カッコいいよ！』

「.......俺、変じゃない.....よね？」

自分で変じゃないって思ってても、人に言われたらショックなもんだ。

『全く変じゃないよ！君の他にもサッカー好きはたくさんいるよ』

「会える？！」

『う～ん、それはまだわかんない。すぐに会えるかも知れないし、君がもっともっと大きくならないと会えないかも知れないから』

サッカーの事ばっかりなら、いつかこの少年もブルーロックに招集されて、そこで同じ価値観を持った人に出会えるかも知れないし。

『それに何より、サッカーが好きってのが一番じゃないかなあ？君はサッカー好きなんでしょ？』

「うん！サッカー好き！」

『ならそれでいいじゃん！』

周りなんて気にしてたら、君にとっての楽しいサッカーが楽しくなくなっちゃうもん。

『........元気でた？』

「！」

『君は君のままで良いんだよ！』

「.......！うん！ありがとう！」

『(何もしてないけど)どーいたしまして！』

ただ、私の気持ち言っただけなんだけどなぁ。
ちょっと、どっかの主人公みたいなセリフも言った気がするけど......。

「ねえ、俺とサッカーしよう！」

『え、下手くそだよ？それでもいーの？』

「いーの！」

サッカー好き少年には負けるレベル何ですけどなぁと思いながら、少年とサッカーをする事になった。サッカーはめちゃくちゃ楽しかったです。あれ、作文？

暗くなってきて、このままだと家に帰れなくなると焦り始めた私。少年に「バイバイ」と手を振って、めちゃくちゃダッシュで走り去った。体力がつき始め、歩き出したところで思い出した大切なこと。

『あ、名前言うの忘れた』

ハンカチも忘れた。

　